放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

飛程、阻止能、W値

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
 
先週、飛程及び阻止能に関して記事を掲載しましたが、飛程や阻止能は正誤問題、計算問題として第一種、第二種試験ともに非常によく出題されていますのでしっかり過去問題で勉強して下さい。
 
また、飛程、阻止能は荷電粒子にのみ使用される用語であるということもあわせて覚えておきましょう。単位を問われる問題もよく出題されていますので単位もあわせて暗記しておきましょう。
2016年度第一種試験物理問14
 A 阻止能は光子に対して適用できない。(正)
 C 飛程は中性子に対して適用できる。(誤)
阻止能
 

(線エネルギー付与(LET)の単位も阻止能の単位と同じ)

質量阻止能
 阻止能を密度で除したもの
 


飛程
 
 飛程の単位は[cm],[m]に密度を乗じた単位もある
 

単位に関しては毎年出題されていますので主要な単位は必ず暗記しましょう。本ブログでも掲載していますので参考にして下さい。

 単位①


第一種試験では2018年度物理問22、2015年度物理問25、2013年度物理問192012年度物理問22、2010年度物理問23では質量阻止能の単位が出題されています。
第二種試験では2017年度管理技術Ⅱ問1で飛程及び質量阻止能の単位が出題されています。
 
飛程や阻止能とともに荷電粒子に用いられる用語として放射線取扱主任者試験でも非常によく出題されているものにW値というものがあります。W値は物理の試験で出題されることが多いですが、2018年度は化学問30で出題されています。
2018年度第一種試験化学問30
C 気体中で1組の電子-陽イオン対をつくるのに必要な平均エネルギーをW値と呼ぶ。(正)
W値
 1対のイオン‐電子対を生成するために必要なエネルギー
 W値は荷電粒子にのみ適用される用語
 物質(元素)にあまり依存しませんが、一般的に原子番号の大きい気体ほどW値は
 小さくなる傾向があります。
 
 W値のおおよその値は暗記しておきましょう
  W(He):41eV > W(Air):34eV > W(Ar):26eV > W(Xe):22eV 
 
原子力百科事典 ATOMICA 放射線の電離作用 (08-01-02-02)参照
イメージ 1
 
第一種試験
 2017年度物理問14:W値の順位を問う問題
 2016年度物理問28:Ar(アルゴン)のW値を覚えておかないと解けない問題
 2015年度物理問13:He(ヘリウム)とAr(アルゴン)のW値の比較及び空気のW値
 2014年度物理問13:Ar(アルゴン)と空気のW値の比較
 2011年度物理問15:生成するイオン対を求める問題
第二種試験
 2016年度管理技術Ⅱ問6:空気中での電子-イオン対の数の計算問題
2010年度第一種試験物理問24
A W値は電子線に対して用いることができる。(正)
2012年度第一種試験物理問24
A W値(ヘリウム>空気)(正)
2012年度第二種試験管理技術Ⅱ問8
B 気体のW値は、ほとんどの気体では10keVよりも大きい。(誤)
 
W値が関係する計算問題としてはブラッグ・グレイの空洞原理もあります。
第一種試験
 2018年度物理問26:空気の吸収線量を求める問題
 2014年度物理問24:電離箱内の飽和電流を求める問題
 2013年度物理問22:電離箱内の電離電流を求める問題
 2013年度物理問28:水の吸収線量を求める問題
 2012年度物理問26:空気の吸収線量率を求める問題
第二種試験
 2013年度管理技術Ⅱ問10:電離箱中のイオン対の個数を求める問題(W値は不要)

ブラッグ・グレイの空洞原理に関する計算問題は以下の記事を参考にして下さい。
 
本日の記事に関連する内容として以下の記事もあわせて読んで勉強して下さい。