放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

自分に負けない気持ち

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

5月も後半に入り、一週間もすれば6月になります。日に日に夏の暑さに近づき6月に入ると梅雨の時期にも入ります。
心身ともに気だるさを感じる季節となりますが、気候に負けない気持ちを持って毎日を乗り切りましょう。

今年度の放射線取扱主任者試験が12月以降に延期されたことで試験までは半年以上あります。
今から勉強を始めても十分合格できます。
何もせずに過ごしても半年は過ぎていきます。
自分自身に「やるぞ!」という気持ちを奮い立たせ、自分に甘くならず、負けない気持ちを持つことが大切です。己に勝ちましょう!

今から半年間頑張れば必ず合格を勝ち取ることができます。
一緒に今年度の合格を目標に頑張りましょう!

90Srと90Y 続き

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

前回は放射性核種90Srと90Yの記事を掲載しました。90Srと90Yは重要核種として壊変や半減期、エネルギーなども必ず覚えておかなくてはなりません。また、両者の間には永続平衡が成立することも放射線取扱主任者試験でも非常によく出題されていますので必ず暗記しておきましょう。

 

永続平衡にある90Sr-90Yの混合溶液からの分離に関する問題も放射線取扱主任者試験ではよく出題されています。出題される内容はだいたい決まっていますので過去問題をしっかりと解いておくことが大切です。

2015年度第一種試験物化生問3Ⅲ

Iにおいて、T1>>T2(すなわちλ1<<λ2)の場合には、十分に時間tが経過すると(おおよそt>10T2)、核種2と核種1の放射能はA2/A1≒1でほぼ等しくなる。このような放射平衡状態を永続平衡という。

しかしt<10T2で、永続平衡が成立する前であっても、(6)式を利用することができる。例えば、90Srは次のように壊変するが、

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娘核種90Yのβ線エネルギーが2.28MeVと非常に高く測定しやすいことから、環境試料中の90Srの定量には、娘核種のβ線測定が利用されている。試料からストロンチウムを分離回収して精製したのち、2週間以上保存する。その塩酸溶液に(O)の捕集剤としてFe3+を、(P)の保持担体としてSr2+を、それぞれ塩化物の形で加えた後、加熱しながらアンモニア水を加えて(Q)の沈殿をつくり、この沈殿中に娘核種90Yを共沈させて親核種から分離する。沈殿中の90Yの放射能測定により、まず半減期の測定から(R)が含まれていないことを確認し、次いで共沈させた時刻における90Yの放射能を算出し、(6)式により90Srの放射能を求めることができる。

2013年度第一種試験物化生問4Ⅲ

核分裂生成物に含まれている長寿命核種のうち、体内で摂取された場合、問題になるのが90Sr(半減期:29年)である。90Srは(K)であり、人体内に入ると骨に沈着し長期間にわたる内部被ばくが問題になる。90Srは(3)式のようにβ-壊変により逐次壊変する。単離した90Srは18日間以上経過すると、生成する90Y(半減期:2.7日)の放射能がほぼ一定な値となり、90Srの放射能と1%以内で等しくなる。このような放射平衡状態を(L)という。

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環境試料中の90Srの分析では、90Srのβ-線の最大エネルギーが0.54MeVと低く、90Yが共存すると定量困難である。一方、娘核種90Yのβ-線の最大エネルギーが(M)ことから、90Srの定量にはこれを利用する。試料からストロンチウムを分離回収して精製した後、2週間以上待つ。その塩酸溶液に(N)の捕集剤としてFe3+を、(O)の保持担体としてSr2+を、それぞれ塩化物の形で加えた後、加熱しながらアンモニア水を加えて水酸化鉄(Ⅲ)の沈殿をつくり、この沈殿中に娘核種90Yを共沈させて親核種90Srから分離する。90Yの放射能測定から共沈させた時刻における90Yの放射能を算出し、放射平衡にあった90Srの放射能を求めることができる。

2016年度第一種試験物化生問3Ⅱ

90Srの塩酸溶液をアンモニア水で中和してろ過すると、見かけ上沈殿が生じていなくても娘核種の90Yがろ紙に捕集される。この現象は(P)の生成によるものと考えられ、無担体RIの分離に利用される。

 

また、90Sr-90Yの永続平衡に絡めて計算問題が出題されるときもあります。

難しい計算問題ではありませんので確実に解けるようにしておきましょう。

2018年度第一種試験物化生問3Ⅲ

放射平衡において、T1>>T21<<λ2)の場合、十分な時間t(t>>10T2)が経過すると核種1と核種2の放射能はほとんど等しくなる。この状態は永続平衡と呼ばれる。90Srは半減期(O)年でβ-壊変し90Yになり、さらに90Yも半減期2.67日でβ-壊変して90Zr(安定)になる(下図参照)。

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新たに分離精製した90Sr試料中には90Yが生成し、おおよそ1ヶ月で永続平衡に達する。永続平衡にある90Yの90Srの対する原子数比(NY/NSr)は(P)となる。90Sr試料中に生成する90Yは無担体で取り出すことができる。永続平衡に達するまでの90Yの原子数は、放射化やRI製造における飽和係数を使うことにより求めることができる。例えば、一旦90Yを分離除去した90Sr試料には、2.67日間経過すると、永続平衡時の(Q)%の90Yが生成する。

90Yはβ-線(最大エネルギーEmax=(R)MeV)を放出する核種であり、悪性リンパ腫の内用療法に利用されている。この方法では、治療に先だち(S)放出核種である111Inの標識抗体を投与して、腫瘍への集積性をシンチグラフィで確かめ、治療の適切性を確認する。

 

関連する演習問題を一緒に解いてみましょう。


問 次の放射化学分離に関する記述において、(A)~(D)に入る用語はとして正しい組合せは①~⑤にのうちどれか。
無担体の90Srのみを含む水溶液中にはβ-変壊変によって娘核種の90Yが次第に生成してくる。この溶液に、非放射性のSrとYを担体として加えた後、(A)にすると、90YはYとともに水酸化物として沈殿し、90SrはSrとともに水溶液中に残るため、90Srと90Yを分離することができる。もし、非放射性のSrを加えない場合には、90Srは(B)になりやすく、Yの水酸化物に取り込まれる可能性がある。この現象を(C)という。また、90Srを溶液中に残すために加えたSrのことを(D)と呼んでいる。
   (A)     (B)          (C)        (D)
アルカリ性 ラジオコロイド          共沈     保持担体
②  酸性   ラジオコロイド          共沈      スカベンジャ
③  酸性     イオン     ミルキング    保持担体
アルカリ性     酸化物              ミルキング    スカベンジャ
アルカリ性     イオン        共沈     スカベンジャ


90Srと90Yは、90Yを沈殿させることにより分離することができます。

Fe3+やY3+は溶液をA)アルカリ性にすることで、Fe(OH)3、Y(OH)3として沈殿しますので、90YはこのFe(OH)3、Y(OH)3と一緒に沈殿させることができます。
90Srと90Yが共存する溶液に非放射性のFe3+やY3+を加えることで、90Yを沈殿により90Srから分離することができます。加えた非放射性のFe3+やY3+を共沈剤(捕集剤)と呼んでいます。C)共沈
この場合、Y3+は目的とする90Yと同じ元素ですので同位体担体、Fe3+90Yと異なる元素ですので非同位体担体とも呼べます。
また、90Srを溶液に残しておくために非放射性Srを加えますが、これをD)保持担体と呼びます。保持担体を加えないと90Srは(B)ラジオコロイドとなってY(OH)3と一緒に沈殿しやすくなってしまい90Yと分離できなくなってしまいます。

 

よって、(A)アルカリ性、(B)ラジオコロイド、(C)共沈、(D)保持担体となりますので、正解はとなります。

 

90Srと90Y

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

2019年度第一種試験の化学の問題を見てみると、30の問題の中には非常に多くの放射性核種が登場してきます。

例えば、

問1: 60Co, 57Co 

問2: 211At

問3: 40K

問5: 14C

・・・・・

問26: 60Co, 59Fe, 55Fe, 51Cr

問30: 51Cr

5~7年間分の過去問題を見てみると、ほぼ出題される放射性核種が分かってきますので、それらについては過去問題を解く中で暗記していくことが大切です。

2019年度第一種試験化学問19は放射性ストロンチウムの分析に関する問題で難しい問題だったかと思いますが、この問題の中に出てきた2つの放射性核種90Srと90Yは放射線取扱主任者試験でも非常に出題頻度が高い重要核種です。

今日はこの2つの放射性核種の重要事項について是非覚えて下さい。

 

90Sr

半減期28.8年

・β-壊変(β-線エネルギー546keV)

90Y

半減期64時間

・β-壊変(β-線エネルギー2.28MeV)

 

90Srはβ-壊変して90Yになります。親核種である90Srの半減期28.8年は娘核種である90Yの半減期64時間に比べて非常に長いため、両者の間には永続平衡が成立します。

90Sr-90Yの永続平衡は非常に重要ですので必ず暗記しておきましょう。

 

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放射平衡に関する問題は毎年必ず化学の試験で出題されています。
必ず自分で解けるようにしておいて下さい。

 

ひとつ演習問題を一緒に解いてみましょう。


問 

90Srは(A)により原子番号39の90Yになる。90Yも放射性でβ-壊変により原子番号(B)、質量数(C)のジルコニウム安定同位体になる。90Srの半減期(28.8年)は90Yの半減期(64.1時間)に比べてはるかに長いので、十分長時間の後には、両核種の間に(D)が成立する。この状態においては、105Bqの90Srと共存する90Yは(E)Bqである。


90SrはAβ-壊変により90Yになります。そして、90Yも放射性でさらにβ-壊変により原子番号B40、質量数C90ジルコニウム安定同位体になります。
壊変式は以下のとおりで必ず暗記しておかなくてはならない壊変式です。

 

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90Srの半減期(28.8年)は90Yの半減期(64.1時間)に比べてはるかに長いので、十分長時間の後には、両核種の間にD)永続平衡が成立します。
永続平衡では親核種と娘核種の放射能は等しくなるので、105Bqの90Srと共存する90Yの放射能E105Bqとなります。

 

重要な放射性核種に関しては、壊変、半減期、エネルギーを確実に覚えておくことが大切です。実際の試験問題で放射性核種がどのように出題されているか過去問題をしっかりと解いておきましょう。

 

勉強する習慣を

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

5月も半ばを過ぎ、気温も上昇し季節も春から夏へと移りつつあります。

先週、39都道府県を対象に緊急事態宣言が解除されました。東京、大阪などまだいくつかの都道府県では緊急事態宣言が続いていますが、少しずつでも宣言前の日々に戻ってくれることを切に願っています。

全国的に緊急事態宣言が解除されても、全てが今まで通りというわけにもいかず、新しい生活様式が感染拡大防止のためにもしばらくは必要になります。

おそらくは6月からはが小中学校や高校などでは授業が始まることと思いますし、テレワーク、在宅勤務を行っていた社会人の人も仕事場に出勤する毎日が戻ってくることでしょう。専門学校、大学などは9月までの前期期間はオンライン講義が継続されるとの話もありますが…

もちろん、今回のことを機に学び方や働き方も見直され、オンライン講義やテレワーク、在宅勤務といったネットワークの活用の重要性や効率性が認識され、今後このようなオンラインでの生活が一段と増えてくることも予想されます。

この流れに遅れないように私自身も勉強していかなくてはと思っています。

 

さて、放射線取扱主任者試験に向けての勉強は進んでいますか?

試験が12月以降に延期されたことで、基礎からじっくりと勉強できる時間もできました。過去問題を解いていて解けなかった問題や理解できなかった内容は放射線概論などの参考書に戻ってゆっくりと読み直して勉強し直す時間も十分あります。

実際に勉強を始めてみると、放射線概論などの参考書を読んでいて自分では理解したつもりでいても、いざ過去問題を解いてみると解けない問題が多いことが分かります。

参考書で書かれている内容が実際の試験問題ではどのような形式で問われるのかを早いうちに知っておくことは効率的に勉強する上でも非常に大切なことです。そのためには少しでも早めに過去問題に取り掛かれるようにしましょう。

参考書を勉強するときは初めからすべてを理解しようとせず、まずは一通り読み終え少しでも早く過去問題を解き始めましょう。過去問題を解いていく中で、問われている内容に関して「なんか参考書に書いてあったなあ」程度に覚えておけば十分です。

数年間分の過去問題を解いていると同じような問題が幾度と出題されていますので、その都度参考書に戻り読み返せば、参考書に書かれている内容も理解できるようになり、またその内容がどのような形式で問われるかも見えてきます。

 

6月から日常が戻ればそれは非常に好ましいことですが、同時に学業や仕事といった慌ただしい毎日も始まります。5月の残り2週間で少しでも勉強をする習慣を身に付け、6月以降順調に勉強をしていくための足場をしっかりと作っておきましょう。

今年度の放射線取扱主任者試験に合格するという目標を改めて自分に刻み込み、有言実行で頑張って下さい。

 

天然放射性核種に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

先日の記事ではウランに関する問題を一緒に解いてみました。

今日も関連事項の問題をひとつ掲載しますので一緒に解いてみましょう。

 


問 

次の記述のうち誤っているものはどれか。

A 天然に存在するウランのうち、熱中性子によって核分裂を起こすものは主にウラ

   ン235である。
B 入射中性子のエネルギーが高いと、ウラン238核分裂を起こすことがある。
C 天然に存在するトリウムには親物質のみが含まれている。
D プルトニウム239はネプツニウム239がβ-壊変して生成される。
E 天然に存在するウラン235は、主に自発核分裂によってその数を減らしている。


 
天然に存在するウランとしては、238U、235U、234Uの3つがありますが、235Uのみ熱中性子との間で核分裂反応を起こします。先日の記事でも書きましたが、238Uは高速中性子では核分裂を起こします。よって、選択肢Aと選択肢Bは正しい。
天然に存在するトリウムは232Thのみです。232Thは壊変系列を作る天然放射性核種でトリウム系列の最初の核種(親核種)になります。よって、選択肢Cは正しい。
トリウム系列は232Thから始まり208Pbで終わります。232Thの半減期140億年と合わせて必ず覚えておきましょう。
プルトニウムは人工的に生成されたものがほとんどですが、ウラン鉱石中にも僅かに存在しています。これは、238Uが中性子を捕獲して239U になり、239Uが2回のβ-崩壊により変化して生成されたものです。核反応式で書くと以下のようになります。
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よって、選択肢Dは正しい。 
235Uは自発核分裂を起こしますが、その半減期は非常に長くおよそ1019年ほどとなります。235Uのα壊変の半減期は7億年(7×108年)ほどですので、235Uのそのほとんどはα壊変により減少していきます。よって、選択肢Eは誤り。
よって、誤っている記述は選択肢Eとなります。
 
天然に存在するウランとして、238U、235U、234Uの3つを覚えておきましょう。
 
原子力百科事典ATOMICAからの抜粋

天然ウラン

天然に産するウランをいう。資源としてのウランを指す場合と濃縮ウランや劣化ウランとの対比で、同位体組成が天然組成のものを指す場合とがある。平均的な同位体組成は238Uが99.274%(99.278重量%)、235Uが0.720%(0.711重量%)、234Uが0.0058%(0.006重量%)である。このうち235Uは熱中性子核分裂を行うために、軽水炉ではその割合を3〜5%程度に高めた濃縮ウランを燃料に用いる。また、中性子の吸収が少ない重水または黒鉛を減速材に用いることによって、この天然組成のウランを用いても原子炉を作ることができる。

 

壊変系列をつくる放射性核種は以下の4つを必ず覚えておきましょう。
 トリウム系列(4n)   :232Th(140億年)   →  208Pb 
 ネプツニウム系列(4n+1)  :237Np(214万年)  →  205Tl   
 ウラン系列(4n+2)             :238U(45億年)      →  206Pb 
 アクチニウム系列(4n+3)  :235U(7億年)        →  207Pb   
 
本ブログの天然放射性核種の記事を参考にして下さい。

 

自発核分裂に関しては放射線取扱主任者試験では252Cfが最も 重要核種になります。

本ブログのカリフォルニウム(252Cf)の記事を参考してしっかりと勉強しておいて下さい。

 

ウラン235について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

コロナウィルスの影響はまだ依然とありますが、GWも終わりましたので、それぞれの目標に向かって一日一日を頑張って下さい。


少し前にアクチノイド元素に関する記事を掲載しましたが、今日はアクチノイド元素の中でも放射線取扱主任者試験で最も出題頻度の高い重要核種ウランについて、問題を解きながら重要事項を覚えていきましょう。

 



中性子による235Uの核分裂に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

A 熱中性子による235Uの核分裂では、質量数が110から125の核分裂生成物が最も多

   く生成する。
B 熱中性子による235Uの核分裂生成物は、β-壊変するものが多い。
C 熱外中性子による235Uの核分裂では、わずかではあるが共鳴反応によってAm及

   びCmが生成する。
D 高速中性子による235Uの核分裂生成物は、α壊変するものが多い。
E 冷たい中性子(cold neutron)による235Uの核分裂では、中性子の運動量が非常

   に小さいため、質量数が118の核分裂生成物が最も多く生成する。


ウランの同位体で、放射線取扱主任者試験でよく出題されるものは以下の2つです。
238U:同位体存在度 99.28% 半減期 45億年
235U:同位体存在度   0.72% 半減期 7億年
 
これら2つのウランの同位体存在度と半減期はしっかり覚えておきましょう。
また、238Uは主に高速中性子核分裂し、235Uは熱中性子核分裂することも覚えておきましょう。

 

では、問題を見ていきましょう。
中性子による235Uの核分裂では、質量数がおおよそ90から100と135から140くらいの核分裂生成物が多く生成されます。よって、選択肢Aは誤り。

中性子による235Uの核分裂生成物は安定核種に比べて中性子を過剰に持つものが多いため、原子核内の中性子が陽子に壊変するβ-壊変するものが多く生成します。例えば、90Srや99Mo、131I、133Xe、140Baなどを多く生成します。よって、選択肢Bは正しい。

核分裂反応は、不安定な核種が分裂してより軽い二つ以上の元素を生成する反応であるため、原子番号がウランより大きいアメリシウムキュリウムは生成しません。よって、選択肢Cは誤り。

中性子による235Uの核分裂と同様、高速中性子による235Uの核分裂でもβ-壊変するものが多く生成します。よって、選択肢Dは誤り。

中性子のエネルギーが低くなれば、より生成核種の割合も小さくなります。よって、選択肢Eは誤り。

よって、正しい記述は選択肢Bになります。

 

235Uの熱中性子による核分裂反応の収率曲線は下図のようになります。

放射線概論にも掲載されてていますので、おおまかな形状、横軸の数値、縦軸の数値は覚えておくとよいでしょう。(質量数で90-100と135-140付近に収率の極大の山のピークが見られ、その収率はおよそ7%であること、また質量数が110-120くらいで収率の極小の谷が見られること)


イメージ 2

過去には以下のような問題も出題されています。

2016年度第一種試験化学問9
C 分裂片の質量分布は質量数95付近と140付近にピークを持つ。

 

また、熱中性子や高速中性子のエネルギーもおおまかでよいので覚えておくと役に立ちます。

中性子はおよそ0.025eV、高速中性子はおよそ0.1から1MeV以上のエネルギーを持つ中性子と覚えておけばよいでしょう。

熱外中性子はあまり聞きなれない語句かもしれませんが、原子力百科事典ATOMICAによると以下のように書かれています。

熱外中性子原子力百科事典ATOMICAからの抜粋)

ほぼ0.5〜100eVのエネルギー範囲のものをいい、熱中性子よりもやや高いエネルギーを持つ中性子で、共鳴中性子よりもエネルギーの低い中性子をいう

冷たい中性子とは非常に遅い、エネルギーの低い中性子(およそ0.005eV以下くらい)のことをいいます。

 

235Uは熱中性子により核分裂するため中性子の検出に利用できます。
核分裂反応は(n, f)で表します。
 
 イメージ 1 (nは中性子(neutron)、fは核分裂片(fission fragment)の略)

235Uに関する過去問題は非常にたくさんありますが、
235U核分裂反応によって生成する核種が問われた問題をいくつか紹介します。

2017年度第一種試験化学問6
235Uの熱中性子核分裂により生成しやすい(累積核分裂収率の大きい)核種の組合せは次のうちどれか。
1 7Be 131I 2 75As 137Cs 3 90Sr 160Gd 4 99Mo 140Ba 

5 104Ru 114Cd

2015年度第一種試験化学問3
中性子による235Uの核分裂で、累積収率が1%以上で生成する核種の組合せは次のうちどれか。
A 77As B 90Sr C 111Ag D 133Xe E 153Eu

2011年度第一種試験化学問11
中性子による235Uの核分裂で生成する収率が大きい核種の組合せはどれか。
A 60Co B 90Sr C 99Mo D 111Ag E 133Xe

2010年度第一種試験化学問11
中性子による235Uの核分裂において、収率1%以上で生成する核種の組合せは次のうちどれか。
A 77As B 99Mo C 111Ag D 131I E 156Eu

ウランに関係することとして、ウラン系列、トリウム系列、ネプツニウム系列、アクチニウム系列の4つの壊変系列を作る天然放射性核種も放射線取扱主任者試験では非常によく出題されています。しっかりと勉強して全て暗記するようにして下さい。

 

前向きに頑張る

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は5月6日です。GWも今日が最終日という人も多いかと思いますが、今年のGWはコロナウィルスの影響により例年とは違うGWを過ごしたことと思います。
日頃の仕事や勉強で疲れた心身を、例年のように旅行や趣味、友人や家族と過ごす時間によってリフレッシュすることができず、逆にストレスや自粛疲れが溜まってしまっているかもしれません。

 

一昨日、緊急事態宣言の全国的な延長が決まり、今月いっぱいは自粛が必要となりました。全ての人がこの影響を受け、大変な毎日を送っていることと思いますが、何とかこの事態が一日でも早く収束できるようにひとりひとりが協力し自覚ある行動を取ることが大切だと思います。

 

4月に大学や専門学校に進学し、放射線を学ぶ予定であった人達にとっては、まだ講義も始まっておらず不安な思いを持っている人もいることと思います。

しかし、放射線の勉強は自分でもできます。この自宅にいる時間を利用して少しずつでも勉強を始めてみて下さい。
独学で勉強して放射線取扱主任者試験に合格している人もたくさんいます。
やる気と努力があれば達成できないことはありません。

 

今年度の放射線取扱主任者試験は12月以降になりましたので半年以上の勉強時間があります。これから放射線を勉強してみようと思っている人にとっても十分合格できるだけの時間があります。

放射線取扱主任者試験の勉強は、主には
放射線概論などの参考書を勉強する期間
・過去問題を解く期間
の二つに分けることができます。

 

これから勉強を始める人は5月から8月までの約4か月間を「放射線概論などの参考書を勉強する期間」に定め、9月から試験までの残りの期間を「過去問題を解く期間」として勉強を進めていけばよいかと思います。もちろん、過去問題を解きながらその都度復習や確認のため放射線概論などの参考書に戻ることも大切です。

放射線取扱主任者試験は範囲も広く暗記しなくてはならないこともかなり多く大変な試験ですが、一生懸命勉強すれば必ず合格できる試験です。

 

コロナウィルスとの戦いは長期的な戦いになる可能性も指摘されています。
もしかしたらこの先まだまだ自粛など自宅で過ごす時間も増える可能性もあります。
しかし、自分自身の考え方を前向きにすることでいろいろなことが可能になります。

皆さんの目標は今年度の放射線取扱主任者試験に合格することですから、その目標に向かって頑張って下さい。