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ブラッグ・グレイの空洞原理に関する問題③

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も演習問題を一緒に解いてみましょう。今日は計算問題です。
計算問題を苦手としている人も多いかと思いますが、放射線取扱主任者試験で出題される計算問題の大半は過去問題の類似問題です。過去問題をしっかりと解き、解法を身につけておけば得点できる問題ですので、しっかり勉強して得点できるように頑張って下さい。

問 有効体積500cm3の空気等価電離箱をγ線照射場に置いたところ、1.6×10-10[A]の電離電流が測定された。このγ線照射場の照射線量率[C・kg-1・h-1]に最も近い値はどれか。ただし、空気の密度を1.2×10-3[g・cm-3]とする。
① 1.2×10-9
② 2.7×10-7
③ 9.6×10-7
④ 9.6×10-4
⑤ 3.3×10-2

ブラッグ・グレイの空洞原理に関連する問題です。
ブラッグ・グレイの空洞原理は、物理、物化生、管理測定技術の試験でよく出題されてきています。考え方をマスターすれば正答を得るのは難しくありませんので是非解けるように勉強して下さい。
 
電流は1秒間に移動した電荷量とも言い表せますので、電流の単位アンペア[A]は[C・s-1]と置き換えることができます。
すなわち、問題の1.6×10-10[A]とは、1秒間に1.6×10-10[C]の電荷量が移動したことになります。
照射線量率は単位[C・kg-1・h-1]からも分かるように1時間の電荷量[C]ですので、1.6×10-10[C・s-1]を1時間当たりの電荷量[C・h-1]にするためには、1時間は3600秒ですので、3600を乗ずればよいことが分かります。
 
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また、有効体積500cm3の空気等価電離箱中の空気の質量は、空気の密度が1.2×10-3[g・cm-3]であるので、
 
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問題で問われてる照射線量率の単位は[C・kg-1・h-1]ですので、この空気の質量を[kg]単位に換算して、
 
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よって、求める照射線量率[C・kg-1・h-1]は、1時間当たりの電荷量[C・h-1]を空気等価電離箱中の空気の質量で除して、
 
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となり、正解は④となります
平成30年度(2018年度)でも、第一種試験で物理問26、物化生問1Ⅱにブラッグ・グレイの空洞原理に関連する問題が出題されています。復習をかねてもう一度解いてみて下さい。
 
近年のブラッグ・グレイの空洞原理に関連する過去問題
平成25年度物理問27,28
平成26年物理問24
平成28年度物化生問2Ⅱ
平成29年度管理測定技術問2Ⅱ
平成29年度物化生問2Ⅱ
平成30年度物理問26
平成30年度物化生問1Ⅱ
 
本日の問題に関連する内容として、本ブログでは以下の記事がありますのであわせてご覧下さい。