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公式:放射化分析

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
 

8月の試験まで3か月を少し切りました。

放射線概論などの参考書を勉強している人も6月からは過去問題を解き始めるようにしましょう。今日は第一種試験で非常によく出題されている放射化分析についての公式の復習をしましょう。

放射化分析では、分析しようとする試料(ターゲット元素)に主に中性子を照射して核反応を起こさせ、生成する放射性核種からの特性として半減期放射線の種類、エネルギー、放射能の強さを測定する分析方法です。

重要公式

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 A:照射終了直後の生成核種の放射能[Bq]
 f:照射粒子束密度[n/(cm2・s)]
 σ:放射化断面積[cm2] (1barn=10-24cm2]
 N:試料(ターゲット元素)の原子数
 T:生成核種の半減期[s]
  t:照射時間[s]

 

Sは飽和係数と呼ばれ、以下の式で与えられます。
 
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飽和係数Sと照射時間の関係を図に表すと以下のようになります。

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照射時間tが生成核種の半減期Tよりも十分に小さいとき、飽和係数Sは上図のt=0における接線に近似することができます。

 

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よって、照射時間tが生成核種の半減期Tよりも十分に小さいとき、照射終了直後の生成核種の放射能は、

 
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の直線となります。
また、照射時間tが生成核種の半減期Tよりも十分に大きいとき、飽和係数Sは上図から一定の値に近づくことが予想されるが、それ数学的に示すと、
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となるので、
 
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となり、照射終了直後の生成核種の放射能は一定値fσNになります。

もうひとつの式で考えても同じですね。

 
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放射線取扱主任者試験では照射時間tと照射終了後の生成核種の放射能の関係を問う問題がよくあります。

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の式で、照射時間tが半減期Tと同じとき、照射終了後の生成核種の放射能は、
 
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照射時間tが半減期Tの2倍と同じとき、照射終了後の生成核種の放射能は、

 
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照射時間tが半減期Tの4倍と同じとき、照射終了後の生成核種の放射能は、

 
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と次第にfσNに近づいていくことになります。

この公式を使用する問題は毎年のように出題されていますので、過去問題を解いて使い方をしっかりとマスターして下さい。