ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は沈殿に関する計算問題についての記事を掲載いたします。
化学の試験で出題される計算問題では化学反応式やモルなどの基本事項を理解していることが大切です。放射線取扱主任者試験で出題される化学反応式や沈殿の計算問題では複雑な反応式を伴うものは出題されることはありません。
基本事項をしっかりと理解していれば十分得点できますので、苦手意識を持っている方も諦めずに頑張ってみて下さい。
以下の問題は2017年度第一種試験化学問18に出題された問題です。
問18
100kBqの35Sを含む廃液1Lがある。35Sの化学形は硫酸イオンおよびメチオニンで、廃液中の硫酸イオン濃度は0.1mol・L-1である。塩化バリウム40g(式量208)を廃液に加えたところ、硫酸バリウム(式量233)の沈殿が生じた。沈殿の放射能は90kBqで廃液中に残留した放射能は10kBqであった。この結果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 生成した沈殿は約23gで、さらに塩化バリウムを加えることにより、残留した35Sは
に変化はない。
2013年度生物問1:メチオニン
2012年度生物問1:ヒスチジン
2010年度生物問1:メチオニン
2009年度生物問2:メチオニン
2008年度生物問1:ヒスチジン
2007年度生物問1:メチオニン
2005年度生物問1:メチオニン
では、本題の硫酸バリウム(BaSO4)の沈殿量を計算してみましょう。
この化学反応式は暗記しておきましょう。
問題の廃液中の硫酸イオン(SO42-)の濃度は0.1[mol・L-1]ですので、廃液1L中に存在する硫酸イオン(SO42-)は
となります。
となります。(質量を分子量で除したものがモル数です)
よって、廃液に加えた塩化バリウム(BaCl2)の量0.192[mol]は廃液中に存在する硫酸イオンの量0.1[mol]よりも多くなるので、廃液中の硫酸イオンは全て硫酸バリウム(BaSO4)として沈殿することになります。その沈殿量は硫酸イオンの量0.1[mol]と同じになりますので沈殿した硫酸バリウム(BaSO4)の量も0.1[mol]となります。
となります。(モル数に分子量を乗じたものが質量です)
よって、問題の正答は2となります。
2017年度の化学の試験では問17にもヨウ化銀(AgI)の沈殿の計算問題が出題されています。また、問3では炭酸カルシウムと塩酸から発生する気体(二酸化炭素)に関する計算問題が出題されています。炭酸カルシウムと塩酸の化学反応式は放射線取扱主任者試験では非常によく出題される化学反応式です。2018年度化学問4でも出題されています。必ず化学反応式を自分で書け、計算できるように勉強しておいて下さい。
以下の問題は全て炭酸カルシウムと塩酸の化学反応式に関する問題です。
2018年度化学問4
2017年度化学問3
2014年度化学問21
2008年度化学問6
2006年度化学問5
本日の記事に関連する内容として以下の記事もあわせて読んで勉強して下さい。