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光子について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は放射線取扱主任者試験でも毎年必ず出題されている光子について書きたいと思います。
第1種試験では物理だけでなく物化生でも、また、第2種試験では管理技術Ⅰ、管理技術Ⅱともに非常によく出題されています。確実に押さえておきたい分野ですのでしっかり勉強しておきましょう。
 
エネルギーの高い光子が物質に入射されると、光電効果やコンプトン散乱、電子対生成などの相互作用を介して光子のエネルギーが物質に与えられます。中でも、コンプトン散乱では、入射した光子のエネルギーの一部が軌道電子に与えられ反跳電子が放出されます。その際、入射した光子は散乱され進行方向が変わりエネルギーは低下します。このとき、散乱された光子の波長はエネルギーが小さくなる分、入射した光子に比べて長くなります。
エネルギーと波長の関係を表す以下の式から波長が長くなるとエネルギーが小さくなることが分かります。λが波長を表し、hはプランク定数です。
 
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散乱光子のエネルギーを表す公式は以下の式で表されます。

超重要公式です。必ず暗記しましょう。
エネルギーを代入するときの単位は[MeV]であることに注意しましょう。
 
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散乱された光子のエネルギーは散乱角度に依存し、散乱角度が180°(cosθ=-1)のとき、すなわち入射方向へ散乱されるときに最小になります。上式で分母が最大になるときが散乱光子のエネルギーが最小になることが分かります。
 
例えば、入射光子のエネルギーが511keVならば、散乱光子のエネルギーの最小値は
 
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となります。
 この場合の反跳電子(コンプトン電子)のエネルギー(最大エネルギー)は、
 
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となります。
波高スペクトルにおいてコンプトンエッジ(コンプトン端)はコンプトン電子の最も高いエネルギーの位置付近に観測されますので、この場合は341keV付近にコンプトンエッジが観測されることとなります。
 
コンプトン散乱における散乱光子のエネルギーや反跳電子のエネルギーは、今年度の試験にも必ずと言ってよいほど出題されることと思いますので、自分で確実に計算できるようにしておきましょう。
また、散乱された光子の波長がもとの入射光子の波長に比べてどのくらい長くなっているかも是非自分で計算してみて下さい。
 
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