放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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GM計数管(数え落とし)

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
6月も残すところあと数日。来週からは7月に入ります。
今年度の放射線取扱主任者試験を受験される方は毎日の勉強に頑張っていることと思います。試験まで2か月を切りましたが過去問題を中心に勉強して下さい。
生物や法令を後回しにしていた方も少しずつ暗記を始めるようにして下さい。
 
さて、今日はGM計数管の計算問題で非常によく出題される数え落としについて公式をしっかり暗記し計算問題を解けるようにして下さい。
実際の試験問題としては、
・数え落としの割合を求める問題
・真の(正味の)カウント数(計数率)を求める問題
がよく出題されています。
平成30年度物理問23は真の計数率を求める問題でした。
 
GM計数管では、パルスの持続時間が長く放電後の回復に時間を要するため高線量領域では数え落としが起こるため注意が必要です。
数え落としの割合(誤差)とは正味のカウント数(n0)から実測カウント(n)を引いたものを正味のカウントで除したものになります。τは分解時間を表しています。
以下の公式は暗記しておきましょう。

 数え落としの割合(誤差)
     =(正味のカウント数(n0)-実測カウント(n))/正味のカウント数(n0)
 
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また、以下の公式もあります。
 数え落としの割合(誤差)=n×τ(n:実測カウント、τ:分解時間)
 
数え落としの割合(誤差)が実測カウント(n)と分解時間(τ)の積で表されることは
覚えておきましょう。この式を知っておくと平成17年度物理問28、平成20年度物理問29、平成27年度物理問28などは簡単に解けます。
(ただし、実測カウントの単位と分解時間の単位は統一することを忘れないように)
 
真の(正味の)カウント数は数え落としの割合の公式から求められます。
数え落としの割合の公式から正味のカウント数(n0)について解くと、
 
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正味のカウント数(n0)の公式もしっかり暗記しておきましょう。
 
 正味のカウント数
 イメージ 5(nは1秒間の実測カウント数、τは分解時間)
 
第2種試験の平成23年度物理問13などはこの公式を使用して解けますね。
 
以下の例題を自分で解いてみましょう。
平成23年度第2種管理技術Ⅰ問4Ⅰの問題です。

例えば、(H)分解時間が250µsのサーベイメータにおいて指示値12,000cpmが得られたとき、真の値の(L)%が数え落とされていることになる。

正答は5.0%
 
GM計数管の数え落としの割合や正味のカウント数などを求める計算問題は、第1種試験、第2種試験ともに非常によく出題されていますので、必ず自分で計算できるようにして下さい。
 
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