放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

事故予防対策

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
2月も最後の週に突入しました。今週末には3月が始まります。
最近は暖かな過ごしやすい気候になり、4月並みの高い気温の地域も多く、例年よりも早い春の訪れを感じているのではないでしょうか。
 
皆さんを焦らずつもりはありませんが、春が近づくということは8月の試験の日も近くづくことを意味し、既に試験まで半年を切りました。放射線取扱主任者試験は範囲も広いため、なかなか1、2か月の勉強量では合格も難しくなります。今一度、気合を入れ直し勉強に励むように努めて下さい。
 
先日、来年度以降の試験に「事故対応に関する課目」が追加される可能性があることを記載しました。事故時には被害を速やかに把握し事態を悪化させない対応が求められます。また、それにも増して事故を起こさないようにする対策はさらに重要になります。
 
事故を未然に防ぐ対策として、2018年の試験から管理測定技術問3を見てみましょう。
2018年管理測定技術問3Ⅰからの抜粋
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この加速器を使用する室の人が通常出入りする出入口には、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律に基づき、使用中である旨を自動的に表示する装置と、使用中にその室に人がみだりに入ることを防止する(C)インターロックが設けられている。加速器の運転中に、室内では(A)制動放射線による光核反応で放射性核種が生成する。空気中では、酸素から(D)15O、窒素から13Nが生成する。また、発生した二次中性子により空気中のアルゴンから(E)41Arが生成する。加速器の運転を停止して室内に入る際には、室内の空間線量率が基準以下にまで下がっていることを確認する。ターゲット周辺は非常に高い線量率となっているので、入室にあたっては、感度は低いが数え落としの問題がなく、10mSv・h-1程度でも測定可能な(F)電離箱サーベイメータを携行して測定値を確認しつつ入室し、不用意な被ばくをしないように作業する。
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インターロックや自動表示装置については法令を確認して下さい。2008年管理測定技術問3Ⅰ、2015年管理測定技術問3Ⅲなどにも出題されています。
光核反応は光子が原子核に吸収され中性子を放出する反応で、中性子を放出するため、原子番号は変化せず、質量数が1減少します。
加速器室内の空気は運転中に発生した中性子によって放射化し、40Ar(n,γ)41Arの核反応により半減期1.8時間の41Arが生成することも知っておく必要があります。
γ線用サーべイメータのおおよその測定線量域は覚えておきましょう。高線量域では電離箱が使用されます。
 
2018年管理測定技術問3Ⅱからの抜粋
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外部被ばくを低減するための3原則は、距離による防護、遮蔽による防護、並びに、時間による防護である。点線源による線量率は線源からの距離の(H)2乗に反比例するので、照射したCr標的はピンセットやトングを用いて取り扱い、指の局所被ばくを低減させる。
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線量は線量率と時間の積であるので、短時間で取り扱えば、被ばく線量は小さくなる。そのためには適切な計画と十分な準備が必要である。
ICRP Publ.5における修正係数によると、非密封RIの取扱操作の危険度は、貯蔵<(I)普通の化学操作<粉末の取扱い≒揮発性化合物の取扱い<乾式で粉末発生の順で増す。この危険度を考慮し、外部被ばくと内部被ばく、並びに汚染の防止対策を含む実験計画をたてた。外気と遮断された構造であるグローブボックスの中で、照射した標的を開封し、Cr粉末を酸に加熱溶解する。次に、この溶液を、ポリエチレンろ紙で内面を養生した空気の流速が適切に制御されたフード(ドラフト)で、ポリエチレンろ紙を内面に敷いたバットの中で取り扱う。溶液から一定量を分取して、一連の化学操作を行い、化学的挙動を追う。溶液の分取には、内部被ばくを防ぐために、(J)安全ピペッタを用いて全量ピペットを操作するか、マイクロピペットを使用する。これらの操作は、鉛遮蔽体の後ろから行う。化学操作の各段階での溶液をガンマ線測定する。この測定には、自動試料交換機能のついた井戸型の検出器を利用する。
照射していないCr粉末を用いた(K)コールドランにより実験手順を確認し、あらかじめ、化学操作に習熟しておく。
事故を未然に防ぐ対策として、外部被ばくを低減するための以下の3原則は覚えておきましょう。
・距離による防護
・遮蔽による防護
・時間による防護
 
また、上述の抜粋からは割愛していますが、2018年管理測定技術問3Ⅱでは実効線量率、半価層の計算も出題されており、このような計算ができることも作業や実験の計画を立てる上で事故対策には重要です。
放射能Q[MBq]の線源からr[m]離れた位置での線量率E[μSv・h-1]を求めるには重要な公式がありますね。
 
 
管理測定技術の過去の問題では、事故を未然に防ぐ対策や事故時の対応に関する問題も多く出題されています。しっかり解いておきましょう。