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実効線量率定数を用いた被ばく線量の問題②

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は管理測定技術で非常によく出題されている計算問題を解いてみましょう。


問 厚さ4.5cmの鉛で遮へいされた100MBqの60Co線源から0.5mの位置で30分作業した場合の実効線量[μSv]に最も近い値はどれか。ただし、60Coからのγ線の鉛の半価層は1.5cm、60Coの実効線量率定数は0.305μSv・m2・MBq-1・h-1とする。

 ① 0.48 ② 0.96  ③ 1.9  ④ 3.8  ⑤ 7.6


この問題は以下の公式をしっかりと暗記しておけば解ける問題です。
放射能Q[MBq]の線源からr[m]離れた位置での線量率E[μSv・h-1]は、

   ΓE:線量率定数[μSv・m2・MBq-1・h-1]

で表されます。

この公式を使用して計算してみましょう。
被ばく時間の単位を"分"から"時間"に直すことを忘れないようにしましょう。
また、実際の試験では放射能が"MBq"なのか"Bq"なのか、距離が"m"なのか"cm"なのかにも注意しましょう。

まず、遮へいを無視して計算すると、

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被ばく時間を考慮して
 
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60Coからのγ線の鉛の半価層は1.5cmと問題文に書かれてあります。
これは鉛1.5cmで遮へいすると放射線量は半分(1/2)になることを意味していますので、厚さ4.5cmの鉛で遮へいした場合は、4.5cmは1.5cmの3倍ですので、

 イメージ 2

放射線量は減少することになります。

よって、厚さ4.5cmの鉛で遮へいした場合は、

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となりますので、正解は⑤です。

ある材料の半価層をx、遮へいする厚さをrとすると、遮へいすることで放射線量は

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に減衰します。

本日の演習問題の公式を使用する問題としては、平成29年度の管理測定技術の試験では問3Ⅰと問4Ⅲが該当します。このブログでも以下の記事に類似の演習問題を掲載していますので自分で解いてみて下さい。
 実効線量率定数を用いた被ばく線量の問題

また、本日の問題に関連する内容として以下の記事もあわせて読んで勉強して下さい。
 表面汚染密度、外部被ばく線量の計算
 線減弱係数と半価層、1/10価層