ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は加速器の演習問題を一緒に解いてみましょう。
加速器に関しては物理の試験で毎年1問は必ず出題されています。平成29年度の試験では、物理問9と物化生問2Ⅰで加速器に関する問題が出題されています。
基本事項はしっかりと暗記して下さい。
問 次の(ア)~(エ)の加速器のうち、荷電粒子の加速に主として静電場を利用しているものの組合せとして、最も適切なものはどれか。
(ア)シンクロトロン
(イ)ファン・デ・グラーフ型加速器
(ウ)線形加速器
(エ)コッククロフト・ワルトン型加速器
①(ア)と(イ)
②(イ)と(ウ)
③(ウ)と(エ)
④(ア)と(エ)
⑤(イ)と(エ)
まずは加速器のおさらいです。
放射線取扱主任者試験で覚えたい加速器は7種類です。
静電場加速
コック・クロフトワルトン型
ファン・デ・グラーフ型
高周波加速
磁場なし 直線加速器(線形加速器)
磁場あり(直流) サイクロトロン
磁場あり(直流) マイクロトロン
磁場あり(交流) ベータトロン
磁場あり(変化させる) シンクロトロン
上記のことを暗記しておけば、今日の演習問題の正解は⑤と分かりますね。
それぞれの特徴を簡単にまとめたPDFファイルです
→ 加速器まとめ
その周回軌道に関しては、過去の物理や物化生の科目でも何回か出題されています。最近は周回軌道の計算問題が多いですね。
軌道に関する計算問題の解説及び過去問題は加速器(2016年11月1日の記事)に詳しく記載していますのでご覧下さい。
余談ですが、日本にある加速器が全部止まってしまったらどうなるのでしょうか?
・半導体ができなくなる
・自動車のタイヤが製造できなくなる
・ボタン電池が製造できなくなる
・がんの放射線治療のほとんどができなくなる
・がん診断の陽電子断層撮影(PET)ができなくなる
・構造物の非破壊検査ができなくなる
・滅菌済み医療用器具が不足する
など大変なことになります。
放射線がいかに重要でいろいろな分野で利用されているかについては、前回の演習問題(放射線の利用に関する問題)でも記載しました。
日本では大きな加速器施設として、兵庫県のSPring-8、茨城県つくば市のPF(フォトンファクトリー)、愛知県岡崎市のUVSOR、AichiSR、広島県のHiSORなどいくつかあります。兵庫県のSPring-8は和歌山県の毒物カレー事件でも有名です。ヒ素の特定にSpring-8の蛍光X線分析装置が使われています。
本題に戻りまして、
放射線取扱主任者試験では7種類の加速器については必ず特徴を暗記して下さい。
また、周回軌道をする加速器に関しては計算問題を過去問題でしっかり復習して自分で解けるようにして下さい。