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荷電粒子の運動の過去問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

昨日は、2019年度物理問32(2)に出題された問題から荷電粒子の円運動に関する記事を掲載しました。今日は荷電粒子の円運動に関する過去問題をいくつか掲載しますので、是非自分で解いてみて下さい。

 

第一種試験

 物理

2006年度問9

荷電粒子の加速器に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A サイクロトロンでは角速度一定の条件で円軌道運動させ、軌道半径を

   大きくしながら加速する。
B シンクロトロンでは磁場を変化させて一定の軌道を周回させ、高周波

   電場により加速する。
C 直線加速器では直線軸上に電極を並べ高周波電場を用いて加速する。
D コッククロフト・ワルトン型加速器では直流電場を多段の整流器とコ

   ンデンサを結合した回路で発生させ加速する。

2007年度問9

次の粒子加速器のうち、ほぼ一定の周回軌道を保って荷電粒子を加速するものはどれか。
1 コッククロフト・ワルトン型加速器 

2 サイクロトロン 

3 ファン・デ・グラーフ型加速器 

4 シンクロトロン 

5 マイクロトロン

2009年度問12

サイクロトロン内を速度v、半径rで回転する粒子の角速度(=v/r)を表す式として正しいものはどれか。ただし、粒子の電荷をe、質量をM、サイクロトロンの磁束密度をBとする。

2013年度問9

サイクロトロンにおいて、磁束密度Bの磁場に垂直な平面内を非相対論的速度vで運動する粒子(質量M、電荷ze)が円軌道を1周するのにかかる時間は次のうちどれか。

2014年度問6

質量m、電荷qの重荷電粒子が、磁束密度Bの一様な磁場中を速度vで磁場に垂直な面内を円運動している。このとき粒子が円軌道を一周するのに要する時間は、次のうちどれか。

2015年度問11

加速器に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A サイクロトロンでは、荷電粒子を角速度一定の条件で円軌道運動さ

   せ、軌道半径を大きくしながら加速する。
B シンクロトロンでは、磁場を変化させて、荷電粒子を一定の軌道で周

   回させて加速する。
C 直線加速装置では、直線軸上に電極を並べ、荷電粒子が電極を通過す

   る間に電圧を反転させ電極間で加速電場を生じるような高周波電場を

   用いる。
D コッククロフト・ワルトン型加速装置では、直流高電圧を多段の整流

   器とコンデンサを結合した回路で発生させ、これによる電場により、

   荷電粒子を加速する。

2016年度問9

サイクロトロンにおいて、磁束密度Bの磁場のもとで加速される荷電粒子(電荷Ze、質量m)の角速度を表す正しいものは次のうちどれか。

2018年度問12

磁束密度1Tのサイクロトロンで陽子を加速する場合、中心軸から30cmの所からビームを取り出すとして、その陽子エネルギー[MeV]として、最も近い値は次のうちどれか。ただし、陽子の質量を1.67×10-27kgとする。

 

 物化生 

2012年度問1Ⅰ

荷電粒子が磁場の中を運動するとき、軌道が曲がることはよく知られている。質量M、電荷zeの荷電粒子が速度vで磁束密度Bの磁場中で磁場に垂直に運動するとき、粒子には(A)と呼ばれる力Fが働き、

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である。このとき、この力Fと粒子に働く(B)が釣り合って円運動することから、その円運動の軌道半径をrとすると、

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が成り立つ。粒子が円軌道を一周するのに要する時間Trは、

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となる。(C)的速度の範囲では、Trは粒子のエネルギーによらずほぼ一定であると見なすことができる。このように、周回の周波数1/Trが粒子のエネルギーによらないという性質を利用している加速器が(D)である。

この加速器では、磁場に垂直に(E)と呼ばれる2個の半円形電極を向かい合わせにおき、これに高周波電圧を印可する。粒子は2つの電極間ギャップを通過するときに印可された電圧に対応するエネルギーを得る。加速により粒子の軌道半径は大きくなるが、周期は変わらない。粒子が半回転して、もう一方の電極に達したときに電圧が逆転するようにすると、粒子はまた加速され、加速と共にその軌道半径は大きくなる。粒子の円軌道の最大半径をRとすれば、最終的に得られる粒子エネルギーEは、

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となる。最大軌道半径0.5[m]、磁束密度を2[T]とし、4He2+を加速すると、この粒子に与えられるエネルギーは(オ)[MeV]となる。ただし、1[T]=1[V・s・m-2]、1[u]=1.66×10-27[kg]とする。

2017年度問2Ⅰ

荷電粒子線の発生には加速器が利用される。加速器は直流電場を用いるものと高周波電場を用いるものに大別される。
 直流電場を用いるもは(A)と呼ばれる。加速電極の両端の電圧をVとし、荷電粒子の質量をM、電荷をzeとすると、真空中で荷電粒子の得るエネルギーEは、

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で与えられる。すなわち、2MVの電圧の(A)で重陽子および2価のヘリウムイオン(4He2+)を加速すると、それぞれのエネルギーEは(イ)及び(ウ)MeVであり、またこのとき重陽子の速度vdのヘリウムイオンの速度vHeに対する比(vd/vHe)は(エ)である。
一方、高周波電場を用いる加速器には、荷電粒子を一対の電極で何度も加速するタイプと、複数の電極を通過させ加速するタイプがある。前者、後者の代表例として、それぞれ(B)および(C)がある。いずれのタイプでも、正イオンを加速するには、正イオンの進行方向と電場の向きを一致させる必要があることから、これを満たす周波数の高周波電場が用いられる。(B)では、一定で一様な磁場Bにより荷電粒子は(D)力を受け円運動をする。このときの粒子(質量M、電荷ze)の角速度をωとし、円の半径をrとすると、非相対論的速度の範囲では、(D)力は(オ)であり、これが円運動の向心力(カ)に等しいことから、ω=(キ)を得る。したがって、加速粒子の角速度は一定であり、加速に用いられる高周波電場の周波数は(ク)となる。