放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

加速器

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日からは11月です。日に日に寒くなってきましたね。
月日が経つのは早いですよ。すぐに年が明け、年度末が訪れます。
「まだ、大丈夫」ではなく、来年度の試験に向けて今日からでも少しずつ勉強を始めていきましょう。
 
今日は加速器に関して是非覚えておきたいことを書きたいと思います。
加速器といえば、兵庫県にあるSpring8が最も有名ではないでしょうか。
カレー事件で一般の方にも知られるようになったかと思います。

加速器に関しては毎年必ず物理において出題されています。
平成17年度物理問12
平成18年度物理問9
平成19年度物理問9
平成20年度物理問10
平成21年度物理問11,12
平成22年度物理問10
平成23年度物理問9
平成24年度物理問10
平成25年度物理問9
平成26年度物理問6,7
平成27年度物理問10,11
平成28年度物理問9
平成29年度物理問9
平成30年度物理問11,12

放射線主任者試験で覚えたい加速器は7種類です。
静電場加速 
 コック・クロフトワルトン型     
 ファン・デ・グラーフ型   
高周波加速 
 磁場なし 直線加速器(線形加速器)          
 磁場あり(直流) サイクロトロン
 磁場あり(直流) マイクロトロン
 磁場あり(交流) ベータトロン      
 磁場あり(変化させる) シンクロトロン    

上から、「直直交直直交」と覚えるといいですね。
最初の3つの直直交は加速に関して、その後の直直交は磁場に関してです。
シンクロトロンは磁場を変化させ一定軌道を周回させますが、交流ではありません。 

簡単にまとめたPDFファイルです → 加速器まとめ

サイクロトロン、マイクロトロン、シンクロトロンは周回軌道を利用して電子や陽子を加速します。
その周回軌道に関しては、過去の物理科目でも何回か出題されています。最近は周回軌道の計算問題が多いですね。

平成18年度物理問9
平成19年度物理問9
平成20年度物理問10
平成21年度物理問12(軌道に関する計算問題)
平成24年度物化生問1Ⅰ(軌道に関する計算問題)
平成25年度物理問9(軌道に関する計算問題)
平成26年度物理問6(軌道に関する計算問題)
平成29年度物化生問2Ⅰ(軌道に関する計算問題)
平成30年度物理問12
 
平成28年度物理問9もサイクロトロンの角速度を求める計算問題でした。

周回軌道の軌道半径は以下のように考えることで求められます。
磁場中を運動する粒子は磁場からローレンツ力を受けます。磁束密度Bの磁場で、電荷eの粒子が磁場に垂直に速度vで動いているとき、ローレンツ力はF=eBvで表されます。円運動する粒子ではローレンツ力と遠心力(=mv^2/r)が釣り合うため、

 イメージ 1

この式をrについて解くと、円運動の軌道半径は次の式で表されます。

 イメージ 2
 
角速度ωを使用すると速度vは、
 
 イメージ 3
 
で表せますので、上式を変形して、
 
 イメージ 4
 
から
 
 イメージ 5
 
平成28年度物理問9では、電荷がeではなくZ×eですので、
 
 イメージ 6
 
となります。

サイクロトロンやマイクロトロンは、上式において磁束密度Bが一定のため、加速とともに速度vが増加していくと軌道半径rは大きくなっていきます。また、シンクロトロンでは、速度の増加とともに、磁束密度も変化させることで一定の周回軌道を維持するようにしています。