放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

2019年度物理の試験問題 荷電粒子の運動

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日は2019年度物理の試験問題を題材に重要事項の確認をしましょう。

2019年度物理問32(2)は荷電粒子の運動に関する文章問題です。磁場中を動く荷電粒子が磁界やローレンツ力の影響を受けながら運動するときのエネルギーや軌道が問われています。

 


2019年度物理問32(2)

(2)粒子aは、粒子に働く(C)を受けて、一定の軌道(半径r)をとる。粒子の質量をma、電気素量をe、磁束密度をBとすると、粒子aの運動量は(ア)であり、運動エネルギーは(イ)である。壊変前の原子核を(Z, A)で表すと、壊変エネルギーは、粒子aの運動エネルギーの(ウ)倍に等しく、壊変後の原子核は(D)となる。ここで、Zは原子番号、Aは質量数を表す。


 

放射線取扱主任者試験で出題される荷電粒子の周回軌道に関する問題は以下の3つの公式を暗記しておけばほとんどの問題は解けます。

①遠心力

 f:id:radioisotope_f:20200919164300g:plain

ローレンツ

 f:id:radioisotope_f:20200919164313g:plain

③速度と角速度の関係

 f:id:radioisotope_f:20200919164337g:plain

M:粒子の質量 r:円運動半径 ω:角速度 v:粒子の速度 

e:電気素量 B:磁束密度

 

f:id:radioisotope_f:20200919164904p:plain

(出典 やさしい電気回路 https://hegtel.com/

 

磁場中を運動する粒子は磁場からローレンツ力を受けます。

磁束密度Bの磁場で電荷eの粒子が磁場に垂直に速度vで動いているとき、円運動する粒子ではローレンツ力(公式②)と遠心力(公式①)が釣り合うため、

 イメージ 1
 
この式をrについて解くと、円運動の軌道半径は次の式で表されます。
 イメージ 2

 

2019年度物理問32(2)(ア)では、運動量の公式mvを利用して、粒子aの電荷が+2eであることを間違えずに解けば正答できます。(イ)は(ア)で導いた運動量から速度が分かれば運動エネルギーの公式に代入するだけです。

 

磁場中で運動する荷電粒子の問題は過去にも頻繁に出題されています。

ローレンツ力や遠心力などの公式は確実に暗記しておきましょう。また磁界の方向などを決めるフレミングの左手の法則などもしっかりと理解しておきましょう。

f:id:radioisotope_f:20200919170317p:plain

(出典 ウィキペディア

 

次回は磁場中で運動する荷電粒子に関する過去問題を掲載します。