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加速器の問題②

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も演習問題を一緒に解いてみましょう。

加速器の基本的な問題です。加速器は物理の試験で毎年1問は必ず出題され、また物化生の試験でも数年に一度は出題されています。しっかりと勉強して下さい。


問 次のAからEの加速器のうち、粒子の加速において主として静電場を利用しているものはどれか。
A.サイクロトロン B.ベータトロン C.シンクロトロン D.直線加速装置 
E.ファン・デ・グラーフ加速装置

最初に加速器のおさらいをしましょう。
放射線取扱主任者試験でよく試験に出題される加速器には次の7種類があります。
 ①コック・クロフトワルトン型     
 ②ファン・デ・グラーフ型   
 ③直線加速器(線形加速器)          
 ④サイクロトロン
 ⑤マイクロトロン
 ⑥ベータトロン      
 ⑦シンクロトロン 
 
この7つの加速器については名前と特徴をしっかりと暗記しておきましょう。
静電場加速
 ①コック・クロフトワルトン型
 ②ファン・デ・グラーフ型
高周波加速
 ③直線加速器(線形加速器)         
 ④サイクロトロン
 ⑤マイクロトロン
 ⑥ベータトロン      
 ⑦シンクロトロン 
③直線加速器(線形加速器)は電場による加速で、④サイクロトロン、⑤マイクロトロン、⑥ベータトロン、⑦シンクロトロンは磁場による加速です。
 
よって、本日の問題では静電場を用いる加速器はファン・デ・グラーフ加速装置になりますので、正答はEです。
2018年度(平成30年度)物理問11でも静電場加速と高周波加速の問題が出題されています。
 
高周波加速で磁場を利用したサイクロトロン、マイクロトロン、シンクロトロンは周回軌道を利用して電子や陽子を加速します。
サイクロトロンやマイクロトロンは磁束密度Bが一定のため、加速とともに速度vが増加していくと周回軌道半径rは大きくなっていきます。これは円運動の軌道半径を表す以下の式からも分かります。

 
 
周回軌道に関しては加速器の記事に詳しく記載しています。
 一方、シンクロトロンでは、速度の増加とともに磁束密度も変化させることで一定の周回軌道を維持するようにしています。
 
周回軌道に関する計算問題は、物理や物化生の試験でも非常によく出題されています。
2018年度(平成30年度)物理問12でもサイクロトロン加速器の計算問題が出題されています。平成24年度物化生問1Ⅰや平成29年度物化生問2Ⅰをしっかり解いておくと良いでしょう。
 
平成18年度物理問9
平成19年度物理問9
平成20年度物理問10
平成21年度物理問12(軌道に関する計算問題)
平成24年度物化生問1Ⅰ(軌道に関する計算問題)
平成25年度物理問9(軌道に関する計算問題)
平成26年度物理問6(軌道に関する計算問題)
平成29年度物化生問2Ⅰ(軌道に関する計算問題)
平成30年度物理問12
 
本ブログの加速器の問題も本日の問題と同じような問題ですので、復習をかねて解いてみて下さい。