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特性X線

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は放射線取扱主任者試験では毎年必ず出題されている特性X線に関しての記事を紹介いたします。
本ブログでも、11月14日の記事1月16日の記事でも紹介していますので、是非この際に過去の記事も読んでいただきマスターして下さい。

特性X線
 軌道電子がエネルギーを得て軌道外に放出された状態(励起状態)にある原子はX線を放出して基底状態に戻ります。このときの放出されるX線を特性X線といいます。

 K殻の電子が軌道外に弾き飛ばされ、L殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Kα、また、K殻の電子が弾き飛ばされ、M殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Kβといいます。  
 また、L殻の電子が弾き飛ばされ、M殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線LαK殻の電子が弾き飛ばされ、N殻からの電子によって埋められた場合に発生するX線Lβといいます。

高い軌道から電子が落ちてきた方がエネルギーは大きくなりますので、
・Kα線のエネルギー<Kβ線のエネルギー
・Lα線のエネルギー<Lβ線のエネルギー

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特性X線を学ぶ時には、オージェ電子蛍光収率に関しても是非理解しておいてください。 

オージェ電子
 励起状態の原子が特性X線を放出せずに外側の軌道電子を放出して基底状態に戻る過程をオージェ効果といい、放出される電子をオージェ電子といいます。
 
蛍光収率
 励起状態にある原子核は、不安定な状態になっているためエネルギーを放出して安定な状態である基底状態に戻ろうとします。放出されるエネルギーとして特性X線やオージェ電子があります。特性X線とオージェ電子は競合過程(どちらかが必ず起こる)です。
 原子番号がおよそZ=32(Ge:ゲルマニウム)くらいまではオージェ電子が起こりやすく、それ以上の原子番号では特性X線が起こりやすくなります。
(第7版放射線概論P.33図2.5)

特性X線またはオージェ電子が放出されるものについては覚えておいてください。
光電効果
・内部転換
・軌道電子捕獲(EC)
コンプトン効果