放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

特性X線、オージェ電子、線スペクトル、連続スペクトル

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
土曜日から全国的に大寒波になりました。
愛知県もかなりの雪が積もりました。中部国際空港では開港以来の大雪だったとのことです。皆さんのお住いのところは大丈夫でしたか?
この土日はセンター試験もあり受験生の方は大変だったかと思います。センター試験のこの時期は毎年雪になっているような気がしますが、私が受験したのはもう遥か昔のことですが、やっぱり雪だったような記憶があります。受験された方は本当にお疲れ様でした。
 
さて、今日は特性X線、オージェ電子についての基本事項の復習の記事を紹介いたします。基本事項を抑えることは、確実に得点する上で非常に重要なことです。
特性X線、オージェ電子については、このブログの11月14日の記事でも紹介していますので、またそちらも是非ご覧ください。

X線γ線はいずれも光子と呼ばれている電磁波ですが、定義は以下のとおりです。
 X線:原子から放出される光子(制動X線、特性X線など)
 γ線原子核から放出される光子
異性体転移は原子核励起状態で起こるのでγ線を放出するか、または内部転換電子を放出します)

特性X線
 軌道電子がエネルギーを得て軌道外に放出された状態(励起状態)にある原子はX線を放出して基底状態に戻る。このX線特性X線という。
 K殻に空席がある場合にL殻の電子が遷移してきたときに放出される特性X線のエネルギーEK-Lは、EK-L=(EK-EL)となる。

オージェ電子
 励起状態の原子が特性X線を放出せずに外側の軌道電子を放出して基底状態に戻る過程をオージェ効果といい、放出される電子をオージェ電子という。
 K殻に空席がある場合にL殻の電子が遷移してきたときに放出されるオージェ電子のエネルギーEK-Lは、EK-L =(EK-EL)-Eb となる。Ebは放出される軌道電子(オージェ電子)の結合エネルギーである。
 
蛍光収率
 励起状態にある原子核は、不安定な状態になっているためエネルギーを放出して安定な状態である基底状態に戻ろうとする。放出されるエネルギーとして特性X線やオージェ電子がある。特性X線とオージェ電子は競合過程(どちらかが必ず起こる)である。
 原子番号がおよそZ=32(Ge:ゲルマニウム)くらいまではオージェ電子が起こりやすく、それ以上の原子番号では特性X線が起こりやすい。
(第7版放射線概論P.33図2.5)
 
ちなみに、X線の中でも制動X線は以下の特徴があります。
・電子が原子の近くを通過すると原子核又は電子のクーロン力で曲げられて放射
・物質の原子番号の2乗に比例し、入射粒子の質量の2乗に反比例
・電子での制動放射のみが問題となり、陽子線やα線など重い粒子では問題にならない
 
特性X線またはオージェ電子が放出されるもの
光電効果
・内部転換
・軌道電子捕獲(EC)
コンプトン効果
 
覚えておきたい線スペクトルと連続スペクトル
線スペクトルと連続スペクトルに関しては、このブログの11月11日の記事でも紹介しています。

線スペクトル
 α線γ線、オージェ電子、特性X線、内部転換電子、光電子

連続スペクトル
 β-線、β+線、コンプトン電子や散乱光子、制動放射線、核分裂片エネルギー
 熱中性子のエネルギー分布(マックスウェル・ボルツマン分布に従う)
 
特性X線、オージェ電子に関連する過去問題は11月14日の記事参照
線スペクトル、連続スペクトルに関連する過去問題は11月11日の記事参照