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中性子まとめ

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は中性子についてのまとめの記事を紹介いたします。
 
中性子原子核との相互作用、すなわち核反応には以下のものがあります。
①弾性散乱(n,n)
②非弾性散乱(n,n’)
③捕獲 (吸収反応) (n,γ)
核分裂(n,f)
 
中性子(エネルギーが約0.5MeVよりも大きい)
 → ①弾性散乱、②非弾性散乱
中性子は水素との反応で最も減速されやすい(水素原子核中の陽子との弾性散乱)
中性子原子核に捕獲されずに、跳ね返るような反応を起こす
①弾性散乱:反応前後で運動エネルギーの和が変化しない
②非弾性散乱:反応後の運動エネルギーの和が減少し、原子核の励起に使われる
 
熱外中性子(エネルギーが約0.1 eVよりも大きく約100eVよりも小さい)
 
中性子(エネルギーが約0.1 eVよりも小さい 平均エネルギーは約0.025eV)
 → ③中性子捕獲(n,γ)発熱反応
中性子のエネルギースペクトルはマックスウェルボルツマン分布を示す
質量数が1増加する 
エネルギーの高い励起状態原子核生成(γ線α線放出)
大きな断面積のため中性子の検出器、遮へいに利用
○熱中性子遮へい材 カドミウム 113Cd(n,γ)114Cd  10B(n,α)7Li
○熱中性子検出器  BF3比例計数管 10B(n,α)7Li
          3He比例計数管 3He(n,p)3H
          6LiI(Eu)シンチレーター 6Li(n,t)α
          核分裂比例計数管 235U(n,f)
            金箔放射化検出器 197Au(n,γ)198Au  115In  165Dy
 
核分裂に関しては、主には235Uの核分裂反応を覚えておくこと
235Uは熱中性子により核分裂するため中性子の検出に利用できる
235U(n, f)では質量数が90~100と130~140の元素が生成されやすい
放射線概論P70参照)
 
中性子捕獲治療 
  ホウ素中性子捕捉治療 BNCT 10B(n,α)7Li
  がん細胞に蓄積するホウ素薬剤を投与して熱中性子をがん細胞を含む範囲に照射して粒子線(α線とLi粒子)を生成してがん細胞を死滅させる。
 細胞内でのα線の飛程は数µm
 
○速中性子検出器 
 液体シンチレーション、水素充填比例計数管、PEラジエータ付Si半導体検出器
 
 ホウ素中性子捕捉治療(BNCT)に関しては、本年度平成28年生物問30でも出題されています。放射線取扱主任者試験ではよく出題されていますので、是非覚えておいてください。