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実効線量率定数を用いた問題③

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も演習問題を一緒に解いてみましょう。
実効線量率定数を用いた被ばく線量の計算は第一種試験では管理測定技術の試験で、第二種試験では管理技術Ⅰの試験で毎年必ずと言ってよいほど出題されています。
公式を暗記して単位にさえ気を付ければ必ず得点できる問題です。
公式の暗記、そして考え方をしっかりと理解して下さい。

問 60Co点線源3.7×1012Bqを120cm厚のコンクリート遮へい壁のある施設で取り扱う場合、遮へい壁外側での実効線量率について次の中から正しいものを選べ。
ただし、60Co点線源から遮へい壁内側までの距離は500cmとし、線源と遮へい壁の間に遮へい物は存在しないものとする。なお、60Coの実効線量率定数を0.305[μSv・m2・MBq-1・h-1]とし、コンクリート120cm厚の60Coの実効線量透過率を1.81×10-5とする。
 ① 0.53μSv・h-1
 ② 0.82μSv・h-1
 ③ 5.3μSv・h-1
 ④ 8.2μSv・h-1
 ⑤ 9.6μSv・h-1

 まず、公式のおさらいです。
放射能Q[MBq]の線源からr[m]離れた位置での線量率E[μSv・h-1]を求める公式は以下の通りです。必ず暗記しましょう。

   ΓE:線量率定数[μSv・m2・MBq-1・h-1]

本ブログでも表面汚染密度、外部被ばく線量の計算に記載していますのでご覧下さい。
この公式を使用して計算してみましょう。
まず単位の確認をしましょう。本問題では放射能が"Bq"単位で表されていますので、これは"MBq"単位に変換しなくてはなりません。さらに、遮へい材の厚みや線源からの距離が"cm"単位で表されていますので、これも"m"単位に変換することを忘れないようにしましょう。
 
放射能は、
 イメージ 1
 
60Co線源から遮へい壁外側までの距離は、
60Co点線源から遮へい壁内側までの距離500cmにコンクリート遮へい壁の厚さ120cmを加えた値になるので、
 イメージ 2
 
ここで、本問題では60Coのコンクリート120cm厚の実効線量透過率が与えられていますので、この値も乗じなければならないことに注意して、公式に数値を代入していきましょう。
 イメージ 3                  
  イメージ 4
 
よって、正解は① 0.53μSv・h-1になります。
 
本日の演習問題の公式を使用する問題としては、2018年度の第一種試験では管理測定技術の問3Ⅱが該当します。第二種試験では管理技術Ⅰの問3が該当します。第二種試験では毎年この問3のような問題が必ず出題されていますので過去問題をしっかり解いて確実に解けるようにしておきましょう。
また、2018年度第一種試験の物理問21の2では実効線量率定数の単位の変換に関する問題が出題されています。単位の変換も自分でできるようにしておきましょう。
 
このブログでも以下の記事に類似の演習問題を掲載していますので自分で解いてみて下さい。
 実効線量率定数を用いた被ばく線量の問題
 実効線量率定数を用いた被ばく線量の問題②
 
本日の問題に関連する内容として以下の記事もあわせて読んで勉強して下さい。
 表面汚染密度、外部被ばく線量の計算
 線減弱係数と半価層、1/10価層