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令和3年度第二種試験実務から②

ブログをご覧の皆さん、こんばんは。

また寒波が来ており、関東は昨日から雪のようですが、大丈夫でしょうか。

今年の冬は寒く例年になく雪が多い冬になっています。

春の到来が待ち遠しいですね。

 

前回、令和3年度の第二種試験の実務の問題から記事を書きましたが、今日も令和3年度の第二種試験の実務の問題をひとつ紹介したいと思います。

第二種試験実務問2は計算問題です。

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放射能Q[MBq]の線源からr[m]離れた位置での線量率E[μSv・h-1]を求める公式は、非常に重要です。必ず暗記しましょう。

この公式を用いた計算問題は、第一種試験、第二種試験、必ず毎年出題されます。

第一種試験を目指している人にとっても重要な分野ですので、しっかりと押さえておきましょう。

    ΓE:線量率定数[μSv・m2・MBq-1・h-1]

この問2では、A地点、B地点の実効線量率は137Csの実効線量率定数をΓEとして容易に求めることができます。

問題はC地点ですね。

遮蔽材である厚さ2cmの鉄板について実効線量透過率や半価層などの情報が問題文に記載されていません。実務の試験問題の問11の問題文には3cmの鉛板、10cmのコンクリートの実効線量透過率の値は与えられていますが、残念ながら鉄の情報がありません。

本当ならば問題文に鉄の実効線量透過率や半価層の値を記載すべきだと思いますが…

放射線取扱主任者試験では遮蔽材として鉛、鉄、コンクリートは、非常によく出題されています。半価層などについては大まかな値は覚えておくと良いかもしれません。

 

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総務省消防庁のホームページからの抜粋)

 

この表によると137Csのγ線の強度を半分にする鉄の半価層は1.5cmであることが分かります。このことから、例えば、鉄板の厚さを3cmとした場合にはγ線の強度は1/4となります。

C地点を厚さ3cmの鉄板で遮蔽した場合の実効線量率は

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実務問2では、C地点の鉄板の遮蔽材の厚さは3cmよりも薄い2cmの鉄板で遮蔽しているので、C地点の実効線量率は62.5・ΓEよりも大きくなります。

このように考えて解けば正答は導けますが、あくまで鉄の半価層の値を知っていればですが…

今年度の第二種試験を受験された人はこの問題は正答できましたか?

 

本ブログでも、以下の記事に実効線量率に関する演習問題を掲載していますので是非解いてみて下さい。
 実効線量率定数を用いた被ばく線量の問題