放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

荷電粒子と物質の相互作用に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も第7版放射線概論の章末の演習問題を掲載します。
昨日は電子の制動放射に関する問題を掲載しましたので、今日はα線に関する問題を掲載したいと思います。
7章「荷電粒子と物質の相互作用」の章末の演習問題の問2(P.96)です。

α線、陽子線などの荷電粒子と物質の相互作用に関しては、本ブログの以下の記事にも掲載しています。
 12月6日 荷電粒子と物質の相互作用

今日の演習問題も基本事項ですので、問題文全部暗記してしまいましょう。


問2 α粒子は物質中で主に原子・分子を電離又は(1)しながら減速し、その飛跡はほぼ直線的である。飛跡に沿っての比電離の変化を示す曲線を(2)という。しかし、まれに飛跡が大きな偏向を受けることがある。これはα粒子と(3)との(4)衝突に基づく。


荷電粒子は物質中の電子とクーロン相互作用を起こしますので、物質中の原子を電離したり(1)励起したりします。
α線、陽子線は電子に比べて質量が大きいので、物質中で方向を変えずエネルギーを失うまで直進します。
α粒子は電子の(2×938+2×940)/0.511≒7300倍重くなります。また、陽子は電子のおよそ938/0.511≒1800倍重くなります。

(平成19年度物理問2、平成19年度物化生問1Ⅱ、平成21年度物理問1、平成27年度物化生問1Ⅱ)

α線、陽子線などの重荷電粒子は、飛程の最後で速度が小さくなり、阻止能(単位長さあたりに失うエネルギー)が以下の図のように非常に大きくなります。この図を(2)ブラッグ曲線といいます。
 

イメージ 1

ブラッグ曲線は
α線陽子線や重粒子線で示します。
X線γ線、電子線、中性子線はブラッグ曲線は示しません。

α線、陽子線などの荷電粒子は、ごくまれな確率で(3)原子核(4)弾性衝突して大きな角度で曲げられることがあります。これはラザフォード散乱と言われます。

一昨日の7月12日の記事(内部転換に関する問題)で線スペクトル、連続スペクトルに触れましたので、線スペクトル、連続スペクトルに関する第7版放射線概論の演習問題も掲載いたしますので解いてみて下さい。(P.97問4)


問4 放射性核種からの放射線のうち、次の(イ)~(ヘ)に示すもののエネルギースペクトルを線スペクトルと連続スペクトルの2つに分類せよ。
(イ)α線、(ロ)β線、(ハ)γ線、(ニ)内部転換電子、

(ホ)制動放射線、(ヘ)陽電子消滅放射線


正答 線スペクトル (イ)、(ハ)、(ニ)、(ヘ)  連続スペクトル (ロ)、(ホ)