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荷電粒子まとめ

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
最近は本当に寒いですね…今、私のところでは雪が舞っています。体調管理には十分にお気を付け下さい。
今日は荷電粒子のまとめです。放射線概論第7章をもう一度復習してください。
 
荷電粒子
・荷電粒子は物質中に入射されると物質中の電子が形成する電気的な相互作用(クー
 ロン力)によりエネルギーを失い減速する
・陽子線、α線などは重いため方向を変えずエネルギーを失うまで直進する。
 陽子線(質量が電子の938/0.511=1800倍)
 α線(質量が電子の4×931.5/0.511=7300倍)
 ごくまれな確率で原子核と衝突して大きな角度で曲げられることがある
 (ラザフォード散乱)
 ラザフォード散乱:原子核の電場によって曲げられる弾性散乱
・荷電粒子は質量が電子に比べて大きいため、電子との散乱に曲がり方は小さく放射
 損失(制動放射)は無視できるため、エネルギー損失は電子との衝突損失(電離と
 励起)で決まる
β線に比べて進行速度が遅いため、クーロン力を受けやすく、透過力が小さい。
・荷電粒子は物質中の電子とクーロン力によりエネルギーを失いブレーキを受けて止
 まる。失ったエネルギーは物質中の原子の軌道電子を電離又は励起させる。
・1次電離:α線による直接電離 
・2次電離:α線によってたたき出された電子でエネルギーの高いもの(δ線)がさら
 に電離を起こす
 本年度平成28年物理問2のEで「α線の減速に伴いδ線が発生する」とありますが、これは正しいですね。
 
・電離を利用した検出器:Si半導体検出器
・励起を利用した検出器:ZnS(Ag)シンチレーション検出器
・阻止能は荷電粒子が物質中の単位長さ当たりに失うエネルギー
 阻止能は荷電粒子の原子番号の2乗に比例し、速度の2乗に反比例する
・飛程は入射エネルギーがなくなるまで進む距離
 
 荷電粒子と物質の相互作用に関しては、本ブログで12月6日の記事でも記載していますので是非読んでおいてください。

 阻止能、飛程の公式は必ず暗記して計算問題を解く時に使用できるように十分に過去問題でマスターして下さい。