放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

永続平衡について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

 

前回は、放射平衡の中で過渡平衡に関する記事を掲載しましたので、今日は永続平衡について少し書きたいと思います。

永続平衡の問題では90Sr-90Yが非常によく出題されています。

今日は90Srと90Yを覚えましょう。

 

90Sr 半減期28.8年 β-壊変(β-線エネルギー546keV)

90Y 半減期64時間 β-壊変(β-線エネルギー2.28MeV)

 

90Srはβ-壊変して90Yになります。親核種である90Srの半減期28.8年は娘核種である90Yの半減期64時間に比べて非常に長いため、両者の間には永続平衡が成立します。

 

 f:id:radioisotope_f:20200520103720p:plain

 

前回の記事にも記載しましたが、放射平衡における親核種、娘核種の原子数を表す公式は放射線取扱主任者試験では超重要公式ですので必ず暗記しておかなくてはなりません。(λは壊変定数)

親核種1の原子数 

 

 f:id:radioisotope_f:20200528134753p:plain

 

娘核種2の原子数 

 

 f:id:radioisotope_f:20200528134802p:plain

 

通常、娘核種2の最初の原子数は0であることが多いので、N2は以下の式で表されます。

 

 f:id:radioisotope_f:20200528134816p:plain

 

140Ba-140Laのような過渡平衡になる場合では、娘核種2の原子数は以下の式に近似できることは前回記事にしました。(必ず暗記しなくてはならない超重要公式ですね)

 

 f:id:radioisotope_f:20200530111607p:plain

 

今日は永続平衡についてです。

<永続平衡の特徴>

・親核種1の半減期が娘核種2の半減期に比べて非常に長いときに成立(T1>>T2)
・親核種1の放射能と娘核種2の放射能が等しくなる

 

永続平衡は親核種1の半減期が娘核種2の半減期に比べて非常に長い時に成立します。
90Sr-90Y以外では、例えば、以下のような核種もあります。
 
 イメージ 8
 イメージ 9

永続平衡が成立するときは、
 イメージ 3 ですので、

 イメージ 4
 
      イメージ 5
 
      イメージ 6

  イメージ 7
 
この式は超重要公式ですので必ず暗記して下さい。

 

90Sr-90Yのように永続平衡に関する過去問題として、第一種試験では以下のような問題も出題されています。

文章問題をしっかり解いておくと良いでしょう。

2020年度化学問32Ⅱからの抜粋

90Srは(I)β線のみ放出するため、溶液化後の90Srの単離精製のための化学分離が必要となる。これに加えて、90Srの定量のための化学分離では特徴的な点がある。親核90Srと娘核90Yの半減期の関係で(J)永続平衡が成立する。ここで(K)共沈法を適用することで、娘核種はミルキング可能である。90Yのβ線最大エネルギーが著しく高いために、他のβ線放出核種が残留していても、90Yの放射能から90Srの放射能を正確に求めることができる。

2019年度化学問6

放射平衡に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 親核種の壊変定数が娘核種の壊変定数より大きい場合は、放射平衡が成立

  する。
2 放射平衡が成立しているとき、親核種の放射能は娘核種の放射能より常に

     大きい。
3 放射平衡が成立すると、娘核種の放射能は親核種の半減期で減衰する。
4 放射平衡が成立すると、親核種と娘核種の原子数の比(N親/N娘)は、親核

     種と娘核種の壊変定数の比(λ親/λ娘)に等しい。
5 放射平衡が成立すると、親核種と娘核種の原子数の和は常に一定となる。

2018年度化学問6

ある親核種を単離してから1日後の時点で、その親核種と娘核種との間に永続平衡が成立している。この記述について、正しいものの組合せは次のうちどれか。
A 42Ar 42K 

B 68Ge 68Ga 

C 137Cs 137mBa 

D 140Ba 140La 

E 238U 234U

2018年度物化生問3Ⅲ

放射平衡において、T1>>T21<<λ2)の場合、十分な時間t(t>>10T2)が経過すると核種1と核種2の放射能はほとんど等しくなる。この状態は永続平衡と呼ばれる。90Srは半減期(O)28.8年でβ-壊変し90Yになり、さらに90Yも半減期2.67日でβ-壊変して90Zr(安定)になる(下図参照)。 

新たに分離精製した90Sr試料中には90Yが生成し、おおよそ1ヶ月で永続平衡に達する。永続平衡にある90Yの90Srの対する原子数比(NY/NSr)は(P)2.5×10-4となる。90Sr試料中に生成する90Yは無担体で取り出すことができる。永続平衡に達するまでの90Yの原子数は、放射化やRI製造における飽和係数を使うことにより求めることができる。例えば、一旦90Yを分離除去した90Sr試料には、2.67日間経過すると、永続平衡時の(Q)50%の90Yが生成する。

90Yはβ-(最大エネルギーEmax=(R)2.28MeV)を放出する核種であり、悪性リンパ腫の内用療法に利用されている。この方法では、治療に先だち(S)γ線放出核種である111Inの標識抗体を投与して、腫瘍への集積性をシンチグラフィで確かめ、治療の適切性を確認する。

 

過渡平衡について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

 

今日は放射平衡に関する記事を少し書きたいと思います。

放射線取扱主任者試験における放射平衡の問題では、永続平衡として90Sr-90Yが、過渡平衡としては140Ba-140Laが非常によく出題されています。

 

令和4年度(2022年度)の第一種試験化学問5でも140Baと140Laに関する問題が出題されていますので、今日は140Baと140Laを覚えましょう。

(令和4年度(2022年度)は第二種試験化学問2でも放射平衡が出題されています)

 

140Ba 半減期12.8日 β-壊変

140La 半減期1.68日 β-壊変

 

140Baはβ-壊変して140Laになります。

親核種である140Baの半減期12.8日は、娘核種である140Laの半減期1.68日に比べて長いため、両者の間には過渡平衡が成立します。

140Ba -140Laの過渡平衡は非常に重要ですので必ず暗記しておきましょう。

 

 f:id:radioisotope_f:20200526112219p:plain

 

放射平衡における親核種、娘核種の原子数を表す公式も放射線取扱主任者試験では超重要公式ですので必ず暗記しておかなくてはなりません。(λは壊変定数)

親核種1の原子数 

 

 f:id:radioisotope_f:20200528134753p:plain

 

娘核種2の原子数 

 

 f:id:radioisotope_f:20200528134802p:plain

 

通常、娘核種2の最初の原子数は0であることが多いので、N2は以下の式で表されます。

 

 f:id:radioisotope_f:20200528134816p:plain

 

〈過渡平衡の特徴〉
・親核種1の半減期が娘核種2の半減期に比べて長いときに成立(T1>T2

・娘核種2の放射能は親核種1の半減期に従って減少していく
・娘核種2の放射能が親核種1の放射能よりも大きくなる
・娘核種2の放射能が最大となる時間では娘核種2と親核種1の放射能とが等しくなる
 
140Ba-140Laのように過渡平衡になる場合においては、娘核種2の原子数は、さらに以下の式に近似することができます。(この式も超重要公式ですので必ず暗記すること)
 
 
 
放射能の比は、
 
     
 
すなわち、娘核種2の放射能が親核種1の放射能よりも大きくなります。

 

140Ba-140Laのように過渡平衡に関する過去問題として、第一種試験の化学では以下のような問題も出題されています。

是非解いてみて下さい。

2022年度化学問5

140Ba-140Laのように過渡平衡に関する過去問題として、第一種試験の化学では以下のような問題も出題されています。解けるように勉強しておきましょう。

精製した140Ba(半減期12.75日)から140La(半減期1.68日)が生成し、140Baと140Laが過渡平衡となっているとき、次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 140Laの放射能140Baの放射能より大きい。
B 140Laの比放射能は、時間とともに減少する。
C 原子数の比(140La/140Ba)は約7.6である。
D 水酸化鉄(Ⅲ)共沈法で、水溶液中の140Laを140Baから分離することがで

   きる。

2021年度化学問4

1GBqの140Ba(半減期13日)の質量[g]は、これと過渡平衡にある140La(半減期40時間)の質量[g]の何倍か。次のうち最も近い値はどれか。

2016年度化学問8

140Baは以下のように2回β-壊変して140Ceになる。分離精製した140Ba試料に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

A 140Laの放射能が最大となる前に、140Laと140Baの放射能の和に極大があ

   らわれる。

B 140Laの放射能が最大となるとき、140Laと140Baの放射能の和は、その時

   点における140Baの放射能の2倍に等しい。

C 140Laの放射能が最大になった後、140Laの放射能140Baの放射能の比

   は、次第に一定になる。

D 140Laの放射能が最大になった後、140Laの原子数と140Baの原子数の比

   は、次第に一定になる。

2014年度化学問7

140Baは半減期12.8日でβ-壊変して140Laとなり、140La(半減期1.68日)はβ-壊変して140Ce(安定)になる。この逐次壊変で、140Laを分離除去した140Baから生成する140Laの放射能が最大となるときをtmaxとすると、次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

A tmaxでは、140Laの生成速度と壊変速度は等しい。

B tmaxでは、140Laの放射能140Baの放射能に等しい。

C tmaxの後は、140Laの放射能140Baの放射能を常に上回る。

D tmaxの後は、140Laの放射能は次第に半減期12.8日で減衰するようにな

   る。

2015年度第一種試験物化生問3Ⅱ

過渡平衡の一例として、140Baの壊変系列を見てみる。

f:id:radioisotope_f:20200526112411p:plain

140Ba中に生じている140Laを分離除去した後、純粋な140Baを保存すると、半減期12.8日で140Baがβ-壊変し、次第に140Laの量(放射能)が増加する。その結果、(I)日後に140Laの放射能が最大になる(ただし、ln7.6=2.03)。その後、140Laの放射能は、親核種140Baの放射能を(イ)、次第に半減期(J)日で減衰するようになる。

生成する140Laを無担体で分離するには、140Baと140Laを含む溶液に、(K)及びFe3+を加え、アンモニアアルカリ性にすることによってFe3+を(L)として沈殿させる。水溶液中で生成した140Laは(M)価であり、Fe3+と共沈する。沈殿をろ別したのち、塩酸に溶かし、ジイソプロピルエーテルを用いた溶媒抽出によりFe3+を除くと140Laが得られる。この場合、Ba2+は保持担体であり、Fe3+140Laを無担体で取り出すための非同位体担体である。

 

参考までに、La(ランタン)に関しては140La以外に139Laがアクチバ ブルトレーサーに使用されています。放射線取扱主任者試験ではよく出題されていますので合わせて覚えておきましょう。
 アクチバブルトレーサーに使用される元素:139La、55Mn、79Br、151Eu

 

覚えることで得点できるものは確実に暗記しましょう!

 

 

4月を迎えて

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

 

4月に入りましたね。

4月から新しく社会人になられた人、新しく進学された人、おめでとうございます。

新鮮な気持ちを持って4月を迎えられたことと思います。

就職や進学は、人生のひとつの節目でもありますので、これからの人生が豊かになれるようしっかりと自分の目標を掲げ、その目標に向かって頑張って下さい。

 

社会人の人の中には4月から仕事が変わったり、部署が変わったりした人も多いかと思います。そのような人たちにとっても、今の新鮮な気持ちを忘れずに新しい職場で頑張って下さい。

 

このブログをご覧いただいている多くの人は、放射線というものに少なからず関わりのある業務を行ったり、また、学校に通っている人かと思います。その中には、4月から新たに放射線業務に携わることになった人たち、また、放射線というものを学ぶ学校に進学された人たちもみえるかと思います。

私からのお願いとしましては、このブログにお越しいただいている人たちには、是非、放射線取扱主任者という資格取得を一つの目標に掲げて頂きたく思います。

新しい目標を掲げて、その目標達成に向けて1年を頑張っていくことで、充実した毎日を過ごすことができます。

 

将来、振り返ったときに、この1年間を本当に頑張った1年間だったと思えるような1年にして下さい。

 

皆さんの頑張りに期待しています。

 

2022年度の試験問題から⑦

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も2022年度の問題を見てみましょう。

第一種試験実務の問題6です。

2022年度第一種試験実務問6からの抜粋

解答

具体的には、日本の原爆被爆者の寿命調査(Life Span Study)を中心とした疫学研究による各臓器・組織に対するがんの罹患率等のデータから、各臓器・組織の部位別の生涯リスクを推定した。次いで、(B)骨髄以外の臓器・組織のがんのリスクについては、線量・当量率効果係数を考慮して、推定値を(ア)2分の1に調整した。ここで得られた推定値から、疾患の自然発生率が異なる集団間で一般化するために、適切に重み付けして各臓器・組織の症例数を推定する方法を定めてアジア4集団と欧米3集団に適用し、その平均として、各臓器・組織の1万人当たり1Sv当たりに増加する症例数を求めた。これを「(C)名目リスク係数」と呼ぶ。さらに(C)名目リスク係数に対して、致死率、QOL、寿命損失などの確率を評価して各臓器・組織の1万人当たり1Sv当たりの(D)損害を計算し、その合計値として、「(D)損害で調整された(C)名目リスク係数」が求められた。これにより得られた数値をもとに、がんについて全集団で(イ)5.5%Sv、成人作業者で(ウ)4.1%Sv、(A)遺伝性(的)影響について全集団で(エ)0.2%Svという推定値が示された。

組織加重計数についても(D)損害から推定されている。(D)損害を合計して1になるように規格化した相対(D)損害を計算したうえで、この推定過程における不確実性を考慮し、各臓器・組織を4つのカテゴリーにグループ分けして、それぞれの組織・臓器に対してグループに共通の値を割り当てた。例えば(E)骨表面、唾液腺、皮膚に対しては0.01という値が、(F)膀胱、食道、肝臓に対しては0.04という値が割り当てられている。

 

(イ)、(ウ)、(エ)で問われている名目リスク係数の値は近年よく出題されています

第一種試験

 2019年度生物問26

 2017年度管理測定技術問5Ⅰ

 2016年度管理測定技術問5Ⅰ

 2015年度管理測定技術問5Ⅰ

 2014年度生物問20

第二種試験

 2022年度生物問11

 2022年度生物問9

 2017年度管理技術Ⅰ問2Ⅲ

 2015年度管理技術Ⅰ問1Ⅲ

 

名目リスク係数とは確率的影響を評価するため被ばく1Svあたりのがん及び遺伝的影響の発生頻度を表しています。


低線量・線量率の確率的影響の名目リスク係数(10-2[Sv-1])

        全集団(子供から老人までの全ての年齢集団)  成人集団
がん                 5.5%            4.1% 
遺伝的影響              0.2%            0.1%  

例えば、人が0.20Svの放射線を受けた場合には、
 0.055 × 0.20 = 0.011
と計算し、がんに罹患する確率が1.1%増加すると考えます。
放射線を受けていない人のがんの罹患率が33%の場合、それに1.1%だけ罹患率が増えてがんでの罹患率が34%ほどになると考えてもらえばよいかと思います。


 

名目リスク係数に関しては、全ての値を暗記する必要はありませんが、過去に試験に出題された数値くらいは覚えておくと良いでしょう。
放射線加重係数、組織加重係数の値は確実に暗記しておかなくてはなりません。
イメージ 1

努力を怠らずに

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

3月も最後の週を迎え、皆さんも年度末の慌ただしい日を過ごしているかと思います。
私も忙しい年度末になり、なかなかブログの更新もできず申し訳なく思っています。
4月以降は、また更新できるよう頑張って行きたいと考えていますのでよろしくお願い致します。

学生の方は春休みに入っているかと思いますが、8月の試験を受験される方はこの春休み期間にしっかり勉強時間を確保し有意義な休みを過ごして下さい。
社会人の方は、忙しい年度末で大変かとは思いますが、できるだけ勉強時間の確保に努め頑張っていただきたく思います。

4月に入ると試験まで4か月半となります。
放射線取扱主任者試験は勉強しなくてはならない範囲も広く大変ですので、計画的に勉強を行わないと時間が足りなくなってしまいます。
自分なりの計画をしっかりと立てることが大切です。

 

参考書だけ勉強してもなかなか合格には届きません。

公式を暗記しても、使い方をマスターしなくては実際の試験では得点できません。

参考書で学んだことが実際の試験ではどのように問われるのかを過去問題を解いてしっかりと勉強しておくことが大切です。

問題を解くことで自分の弱点や記憶のあやふやな箇所が見えてきます。

 

参考書に一通り目を通したらできるだけ早い時期に過去問題を解くようにしましょう。

五肢択一式の問題は、誤りの選択肢のどの部分が誤っているのかを参考書に戻ってしっかり学習しましょう。

文章問題は全体の意味を考えながら読むようにしましょう。

難しい問題にあまり時間をかけ過ぎず、基本問題、頻出問題を確実に得点できるだけの知識を身に付けることを優先に考え、5年間から7年間分の問題をまずは一通り解いてみましょう。

4月、5月で合格に近いところまで得点できるように学力を底上げし、そして7月、8月の残りの2ヵ月で確実に合格圏内に学力を持っていけるようにして下さい。

 

合格した人は必ず努力しています。

皆さんも頑張って下さい。

 

2022年度の試験問題から⑥

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日も2022年度の問題を見てみましょう。

放射線取扱主任者試験では、物理や実務の課目でフルエンス率に関する問題がよく出題されています。

2022年度の第一種試験、第二種試験でも実務の試験で出題されました。

2022年度第一種試験実務問1Ⅱからの抜粋

 2022年度第二種試験実務問12Ⅰからの抜粋

 

まず、定義について簡単におさらいしましょう。

粒子フルエンスとは単位面積を通過する粒子の数で、単位は[m-2]で表されます。 
フルエンス率とは単位時間当たりの粒子フルエンスで、単位は[m2・s-1]で表されます。 

 

フルエンス率については、2022年度第一種試験実務問1Ⅱの(E)が公式そのものになります。

 

 

そして、この公式を用いる問題がよく出題されます。

2022年度第一種試験実務問1Ⅱ(E)では、

252Cf点線源からの中性子放出率をQとすると、点線源からr[m]離れた位置におけるフルエンス率は半径r[m]の球の中心に252Cfの点線源があると考え、252Cf点線源から放射状に放出される光子の数Qを球の表面積4πr2で割った値になります。

 
同じように考えて、2022年度第二種試験実務問12(ア)を解いてみましょう。
60Co から放出される2本のγ線の平均エネルギーに等しいエネルギーの1本のγ線が壊変当たり200%の割合で放出されると仮定して、1.0GBqの60Co密封線源から放出されるγ線の放出率を計算すると、
 

 

 
となります。
このγ線放出率で、1.0[m]離れた位置におけるγ線フルエンス率を求めると、
 

 

 
さらに秒単位[s-1]を時間単位[h-1]に変換するために3600を乗ずると、
 

 

 

これを計算すると(ア)5.7×1011[m-2・h-1] となります。

 

以下のブログ記事に、過去に出題されたフルエンス率に関する問題のいくつかを掲載しています。2021年度第二種試験実務問1でも出題されています。

令和3年度第二種試験実務から

 

以下のブログ記事もフルエンス率に関する記事になります。

フルエンス率に関する問題

 

3月に入りました

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

 

今日から3月に入りました。

年度末に近づき、慌ただしい月になる人も多いことと思います。

また、放射線取扱主任者試験に関しては8月の試験までちょうど半年になります。

一生懸命頑張って勉強する期間には半年という期間はちょうど良いかと思いますので、放射線取扱主任者という資格に興味のある人は是非8月の試験を受験して下さい。

 

既に勉強を始めている人は、できるだけ早めに参考書を読み終え、過去問題に取り掛かるようにしましょう。

最低5年間分、できれば7年間分以上の過去問題を解くことで合格も近づきます。

 

令和4年度(2022年度)の試験問題においても過去の問題と類似する問題がかなり多く出題されています。詳しくは総評の記事をお読みいただければと思いますが、文章問題でも令和に入ってからの過去問題の類似問題、平成の時代の物化生や管理測定技術の類似問題が多数出題されています。もちろん、択一問題も同様です。

 

令和に入ってからの4年間分の過去問題では少し物足りなく思いますので、平成時代の過去問題も含め、7年間分くらいの過去問題は解いて試験に臨んで欲しく思います。

択一問題では誤っている選択肢の何処が誤っているのかをしっかりと勉強し、また文章問題では問われている箇所だけでなく、全体の意味も考えながら解くようにしましょう。

 

しっかり勉強を行い、頑張った人には必ず合格という結果がついてきます。

頑張って下さい。