放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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令和3年度第二種試験実務から

ブログをご覧の皆さん、こんばんは。

早いもので1月もあっという間に過ぎ、2月に入りました。

なかなかブログの更新もできず、前回の記事から1か月以上が経過してしまいました。その間、コロナウイルスの感染が驚くほどのスピードで広まり大変な時期に来ています。皆さん一人一人が自分が感染しないこと、そして人に感染させないことを徹底して頂きたく思います。

 

さて、現在、令和3年度の第二種試験の解答解説を作成していますが、今日は実務の問題からひとつ記事を書きたいと思います。

第二種試験実務問1は計算問題です。

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点線源からのフルエンス率[m-2・s-1]を求める問題です。

このフルエンス率[m-2・s-1]を求める問題については、このブログの記事としても過去に取り上げています。

 フルエンス率に関する問題

 

令和3年度第二種試験実務問1において、

152Eu線源を点線源とみなした場合、152Eu線源から50cm離れた位置におけるフルエンス率を求めるには、半径50cmの球の中心に152Eu線源があると考え、そこから放射状に放出されるβ-線を考えればよいことになります。152Eu線源から放出されるβ- が通過する面積は球の表面積4πr2に相当すると考えることができます。

 

フルエンス率を計算する以下の式は公式として暗記しておきましょう。

 

 

参考までに、152Euについても覚えておきましょう。

 152Eu 半減期13.5年 EC, β-壊変

 

Euでは安定核種の151Eu55Mn、79Brとともにアクチバブルトレーサーとして放射線取扱主任者試験ではよく出題されています。

 

フルエンス率に関する問題として、2017年度第二種試験管理技術Ⅰ問5Ⅲ(K)(オ)に良い問題が出題されています。是非、復習しておいて下さい。

2017年度第二種試験管理技術Ⅰ問5Ⅲからの抜粋

はじめに、放射能A[Bq]の点線源について、図1のように、この点線源を中心とする半径Ra[m]の球を考えると、この球面における単位時間・単位面積当たりのγ線通過本数、すなわち光子フルエンス率は(K)f:id:radioisotope_f:20220206204319p:plain ×Aである。つまり、点線源による光子フルエンス率は点線源からの距離の(オ)-2乗に比例する。

 

第一種試験でもフルエンス率は出題されています。

第一種試験を受験する人もフルエンス率は必須ですのでしっかり勉強しておいて下さい。

2018年度第一種試験管理測定技術問1Ⅱからの抜粋

この中性子線量当量(率)計に対して、出力される計数と周辺線量当量を関連付けるために、点状線源とみなせる252Cf中性子線源を用いて校正を行った。校正日における線源からの中性子放出率を4.0×106 s-1、線源から中性子線量当量(率)計の実効中心までの距離を75cmとすると、実効中心における1秒当たりの中性子フルエンス率は(イ)5.7×101 cm-2・s-1となる。

2017年度第一種試験物化生問1Ⅰからの抜粋

次に、空気中に置かれた137Cs点線源(放射能5GBq)について考える。この線源からは、エネルギーが(ア)1.06×10-13Jのγ線が毎秒(イ)4.73×Γg×109本放出される。線源から1m離れた点におけるこのγ線の光子束密度(フルエンス率)は(ウ)3.77×Γg×108s-1・m-2となる。

2012年度第一種試験物化生問2Ⅱからの抜粋

0.25GBqの137Cs点線源から0.5m離れた点における662keVのγ線の空気に対する吸収線量率を求めよう。γ線放出に対する電子の放出比((M)内部転換係数)が0.11であるとすると、線源から毎秒放出されるγ線の数は(イ)2.1×108 s-1である。散乱や減弱を無視すれば、線源から0.5m離れた点におけるエネルギーフルエンス率は(ウ)4.4×107MeV・m-2・s-1である。

2010年度第一種試験物化生問1Ⅲからの抜粋

137Csの放射能を10GBqとするとき、この線源から放出される662keVの光子の数は、すべての軌道電子に対するαを0.11とすると、(J)8.5×109 s-1なる。このとき、線源から1m離れた位置Pにおける光子のフルエンス率は(K)6.7×104cm-2・s-1であり…