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第二種試験の時定数

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
前回、今年度平成30年度(2018年度)の第2種試験で出題されたコンプトン散乱に関する計算問題について書きましたが、今日も少し平成30年度(2018年度)の第2種試験の計算問題を見てみましょう。
 
今日は時定数に関する計算問題です。
時定数に関する問題は第1種試験ではそれ程見かけませんが、第2種試験ではよく出題されています。今年度は管理技術Ⅱ問10に出題されましたが、これは平成28年度管理技術Ⅰ問4Ⅱの類似問題になります。
 
時定数とは「システムが目標値の 63.2%に達するまでの時間」と説明されることが多いかと思います。
放射線取扱主任者試験ではサーベイメータの指示値に絡めて時定数の問題が出題されています。サーベイメータの指示値は計数値の統計的なゆらぎから常に揺れているためその誤差は時定数に依存しています。
 
時定数をT、経過時間をtとすると最終目標値までの出力は以下の式で表されることは暗記しておきましょう。
 
 
経過時間tが時定数Tと同じとき、
 
                                     
 
となり、
終値(最終目標値までの出力を表す上式では十分な時間が経過すると1に近づく)の63.2%になる時間が時定数Tとなります。
図で表すと以下の図になります。
 
  
 
サーベイメータには時定数が存在するため、放射線場が急激に強くなっても、すぐには最終指示値が得られない特性があります。
 
今年度の第二種試験の管理技術Ⅱ問10では、「時定数10秒のサーべイメーターで測定していたとき、照射装置のシャッタ解放後10秒で指示値が10μSv・h-1になった」と問題文に記載されています。
これは十分時間が経過したときの指示値の63.2%の値が10μSv・h-1であることを意味していますので、十分に時間が経過したときの指示値Hは、
 
 イメージ 1
 
よって、
 イメージ 2
 
となります。
第一種試験を受験する人も基本的な時定数に関する計算問題は解けるようにしておいて下さい。
 
第二種試験の時定数の過去問題
平成22年度管理技術Ⅰ問3Ⅱ
平成23年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ
平成24年度管理技術Ⅱ問12
平成28年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ
平成29年度管理技術Ⅱ問9
平成29年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ
平成30年度管理技術Ⅱ問10