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時定数

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
放射線取扱主任者試験では時定数に関する問題が時々出題されています。
第一種試験ではそれほど出題頻度は高くはありませんが、第二種試験では非常によく出題されています。第二種を受験される方は過去問題をしっかり解いて必ず押さえておきたい分野です。
 
時定数という言葉をインターネットで調べると、
「変動を加えた系の状態が平衡に達するまでの時間tの尺度,すなわち緩和時間」
「システムが目標値の (1 -e-1)に達するまでの時間」
などと書かれてあります。
 
放射線取扱主任者試験ではサーベイメータの指示値に絡めて時定数の問題が出題されています。サーベイメータの指示値は計数値の統計的なゆらぎから常に揺れているためその誤差は時定数に依存しています。
時定数をT、経過時間をtとすると最終目標値までの出力は以下の式で表されることは暗記しておきましょう。
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経過時間tが時定数Tと同じとき、
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図で表すと以下の図になります。
 
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すなわち、時定数は
「システムが目標値の  1 -e-1=0.632(63.2%) に達するまでの時間」
と言うことができます。
 
サーベイメータには時定数が存在するため、放射線場が急激に強くなっても、すぐには最終指示値が得られない特性があります。
 
以下の例題を考えてみましょう。

サーベイメータの初期指示値が0であるとき、サーベイメータの最終指示値の90%に達するの必要な時間はどれほどか。ただし、このサーベイメータの時定数は10sとする。

時定数をT、経過時間をtとすると最終目標値までの出力は以下の式で表されることは上述しました。
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例題では時定数は10sなので、このサーベイメータの指示値は、
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の式に従います。
サーベイメータの初期値は、この式にt=0を代入すると
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となり、ちゃんと0になっていますね。
全ての数の0乗は1になることは覚えておきましょう。
 
このサーベイメータの指示値が最終指示値の90%になる時間は、以下の式から求められます。
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この式を解くと、まずは整理して、
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両辺の対数をとって、
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0.1は分数で表すと1/10なので、
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対数の公式から
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ln10の値は2.3ですが、このような問題が出題された場合には問題文に示されていることと思います。ln10は1/10価層の公式でも出てきますのでln10=2.3は暗記しておきましょう。 
ln eは1ですね。
 
よって、
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となります。
 
以下のことは暗記しておきましょう。
・時定数をT、経過時間をtとしたときの最終目標値までの出力
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・全ての数の0乗は1
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第1種
 平成22年度物理問27
第2種
 平成22年度管理技術Ⅰ問3Ⅱ
 平成23年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ
 平成24年度管理技術Ⅱ問12
 平成28年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ
 平成29年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ
 平成29年度管理技術Ⅱ問9