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2021年度第二種試験問題総評 実務編

2021年度第二種試験問題総評

【実務】

問1は計算問題です。本ブログでも記事にしましたが、点線源から放出される放射線が球の表面積を通過することが分かれば正答は導けます。過去の第二種試験の管理技術Ⅰの課目で2018年度問4Ⅱ、2017年度問5Ⅲでも出題されています。

問2も計算問題です。本問題もブログで記事にしましたが、鉄板の半価層や実効線量透過率が与えられていなかったので地点Cが難しかったかもしれません。

問3は遮へいに関する問題です。放射線の種類ごとの遮蔽については知っておく必要があります。

問4は組織加重係数に関する問題です。ICRP2007年勧告の組織加重係数、放射線加重係数の値、そしてそれらの意味については必ず覚えておかなくてはなりません。

問5は防護に関する問題です。実務らしい問題ですね。第一種試験では2016年度管理測定問6Ⅰ、2021年度実務問6Ⅰで出題されていますが、第二種試験では最近は出題されていなかった問題ですので少し難しかったかもしれません。

問6は線源に関する問題です。241Am、252Cf、63Niはいずれも放射線取扱主任者試験では頻出の核種です。エネルギー、壊変、半減期、そして用途に関しては頭に入れておきましょう。

問7はβ線放出核種に関する問題です。β線放出核種も非常によく出題されていますので、主要なβ線放出核種は必ず暗記しておかなくてはなりません。90Srと90Yが永続平衡になることを覚えておけば正答は導けます。

問8は放射線測定器の中の電離箱に関する問題です。これは難しかったかもしれません。放射線測定器については電離箱、比例計数管、GM計数管、シンチレーション検出器、半導体検出器は非常によく出題されていますので、原理や特徴についてはしっかり勉強しておく必要があります。

問9はGM計数管の計数率に関する問題です。難しかったかもしれません。GM計数管の計数率や標準偏差に関する問題は非常によく出題されています。過去問題をしっかり解いておきましょう。

問10は個人線量計に関する問題です。第二種試験では個人線量計に関する問題が非常によく出題されています。本問題の個人線量計に出題されているOSL線量計、蛍光ガラス線量計、熱ルミネセンス線量計は必ず勉強しておきましょう。

 

問11、問12は文章問題です。

問11は第二種試験では毎年必ず出題されている計算問題です。

今年度の問題は昨年度と同様計算量も少なく解きやすい問題かと思います。

Ⅰは実効線量率を求める公式をしっかり暗記して計算間違いをしないように落ち着いて計算すれば正答できる問題です。毎年、法令に絡めて人が常時立ち入る場所、管理区域境界、事業所の境界の線量限度等も出題されていますので確実に暗記しておきましょう。

Ⅱは線量限度を超えないように1週間当たりの使用時間の変更を検討する問題です。2016年度管理技術Ⅰ問3Ⅱに同様の問題が出題されています。この問題も落ち着いて計算すれば難しい問題ではありません。

Ⅲの前半は2016年度管理技術Ⅰ問3Ⅲの類題です。ほぼ一緒のような問題です。後半は汚染検査の方法として間接測定法(スミア法)、表面汚染密度に関する問題です。直接法や間接法の問題は汚染検査の方法として非常に重要で過去問題でも幾度も出題されています。本問題は2019年度実務問12Ⅲにかなり近い問題です。表面汚染密度を計算する公式は直接法、間接法ともに重要公式です。必ず両者ともに暗記しておきましょう。線源効率の値やふき取り効率の値は暗記しておきたい数値です。

 

問12はサーベイメータに関する問題です。第二種試験ではよく出題されている分野です。

Ⅰはサーベイメータの基本的事項が問われている良い問題です。

シンチレーション式、電離箱式、GM管式サーベイメータは放射線測定器の中でも頻繁に出題されていますので必ず勉強しておかなくてはなりません。7割から8割は得点したい問題です。

Ⅱはサーベイメータの時定数に関する問題です。

第二種試験では時定数に関する問題が非常によく出題されていますので、時定数はしっかりと押さえておかなくてはなりません。

本問題は第二種試験の2011年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ及び2017年度管理技術Ⅰ問4Ⅱの類題です。本問題の(O)で問われている飽和指示値の90%に達するのに要する時間は2011年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ(O)でも問われています。本問題の(N)は2017年度管理技術Ⅰ問4Ⅱ(O)と同問題です。時定数の計算問題は第二種試験では2010年度管理技術Ⅰ問3Ⅱ、2016年度管理技術Ⅰ問4Ⅱでも出題されています。これらの問題は確実に解けるようにしておきましょう。