放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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フリッケ線量計、セリウム線量計

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
来年度の放射線取扱主任者試験の受験を考えている皆さんと今日からまた一緒に勉強を開始していきたいと思います。
先日10月20日に今年度の化学の試験問題の問29で訂正がありました。
詳細は原子力安全技術センターのホームページの「お知らせ」の欄をご覧下さい。
 平成29年度放射線取扱主任者試験問題の記述の誤りについて

今日はその問題に関連して化学線量計としてフリッケ線量計とセリウム線量計について是非覚えておきたい内容について記載したいと思います。
化学線量計放射線照射によって化学変化を起こした原子数が放射線量に比例することを利用して線量を測定する線量計です。


○フリッケ線量計
  イメージ 1 
         の酸化反応を利用 G値15.5

○セリウム線量計
  イメージ 2 
         の還元反応を利用 G値2.45

ここで、G値とは物質が100eVのエネルギーを吸収したときに変化する原子数のことで、フリッケ線量計でのG値はおよそ15.5程度、セリウム線量計でのG値はおよそ2.45となります。この値は暗記しておいた方が良いでしょう。

さて、今年度の化学問29ですが、解き方の手順は以下のようになります。
① 30分間の照射で1.6×10-5[g]のFe(Ⅲ)が生成されているので、この値から変化した

  Fe(Ⅲ)の原子数を求める
② 100eVのエネルギーが照射されたときに15.6個のFe(Ⅲ)が変化する(G値=15.6)  ことから、①で求めた原子数が変化するために必要なエネルギーを求める
③ ②で求めたエネルギーの単位を[eV]から[J]に変換する
④ ③で求めたエネルギーは30分間の照射で溶液1gあたりに吸収したエネルギーの  ため、これを1時間の照射で溶液1kgあたりに吸収したエネルギーに変換する

平成17年度化学問29は本問題と生成したFe(Ⅲ)の量が異なるだけの問題です。
過去の化学の試験では本問題と類似の問題が出題されていますが、近年のフリッケ線量計やセリウム線量計に関する過去問題では計算問題はあまり出題されていなかったので、戸惑った方も多いかと思います。
第一種試験でフリッケ線量計やセリウム線量計に関して出題される計算問題は、本問題のようなパターンですので、これを機会に是非解けるようにしておきたいですね。

過去問題
フリッケ線量計
平成17年度化学問29(計算問題)
平成21年度化学問29
平成22年度化学問30(計算問題)
平成24年度化学問30
平成25年度化学問30
平成26年度化学問30
平成27年度化学問29
平成28年度化学問30

平成29年度化学問29(計算問題)
平成30年度化学問29


セリウム線量計
平成19年度化学問30(計算問題)
平成21年度化学問29
平成24年度化学問30
平成25年度化学問30
平成26年度化学問30
平成27年度化学問29

平成28年度化学問30
平成30年度化学問29
 
G値
平成30年度化学問29