γ線エネルギーとβ線エネルギー

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も平成29年度の化学の問題から関連する内容をひとつ掲載したいと思います。

平成29年度化学問12でγ線のエネルギーに関する問題が出題されています。
代表的なγ線放出核種のエネルギーは暗記しておかなくてはなりません。

  　
      59.5keV  122keV  662keV   835keV   1.173Mev
                    136keV                             1.333MeV

　²⁴¹Am：α壊変　  半減期432年　5.5MeVのα線　59.5keVのγ線
　  ⁵⁷Co：EC壊変　半減期272日　122keV, 136keVのγ線
　 ¹³⁷Cs：β-壊変　 半減期30年　  514keVのβ線　
　　　　                  ¹³⁷Cs → ^137mBa(IT) で ¹³⁷mBaの662keVのγ線
　  ⁵⁴Mn：EC壊変　半減期312日　835keVのγ線
　  ⁶⁰Co：β-壊変　 半減期5.3年　1.173MeV, 1.333MeVのγ線

平成29年度化学問12ではこれに加えて¹⁹²Irのエネルギーが問われています。
¹⁹²Irはβ線、γ線ともに複数のエネルギーの放射線を放出するため全てを暗記するのは困難です。以下の程度に暗記しておけばよいでしょう。
　¹⁹²Ir：β-壊変、EC壊変　半減期74日　β線は0.5-0.7MeV、γ線は0.3MeV付近

また、参考までに代表的なβ線のエネルギーも暗記しましょう。

  　
   156keV   224keV  687keV  764keV     2.28MeV         3.64MeV

      ¹⁴C： β-壊変　半減期5730年　156keVのβ線のみ　
  ¹⁴⁷Pm：β-壊変　半減期2.6年　224keVのβ線のみ　
     ⁸⁵Kr：β-壊変　半減期10.8年　687keVのβ線のみ
    ²⁰⁴Tl：β-壊変　半減期3.8年　764keVのβ線のみ
     ⁹⁰Sr：β-壊変　半減期28.8年　546keVのβ線のみ
      ⁹⁰Y：β-壊変　半減期64時間　2.28MeVのβ線のみ ⁹⁰Sr→⁹⁰Y（永続平衡）

平成30年度物理問7では、α線源、β線源、γ線源、中性子線源に関する問題が出題されています。