2021年度第二種試験問題総評 化学編
2021年度第二種試験総評
【化学】
問1は放射性核種の壊変に関する問題です。放射能を表す公式、放射能と半減期の関係を表す公式など基本的な式を理解していることが重要です。合わせて壊変定数の公式、分岐壊変する核種の部分壊変定数に関しても復習しておきましょう。
問2は線源に関して放射能と製造時からの経過年数の関係の計算問題です。問1同様、放射能と半減期の関係を表す公式を覚えていれば正答は導けます。基本的な指数計算はできるようにしておきましょう。
問3は放射能を求める公式に代入して解く問題です。放射能を求める公式は重要公式ですので必ず暗記しておきましょう。
問4はトリウム系列に関する問題です。壊変系列を作る天然放射性核種は暗記しておくことが大切です。系列の始まりの核種、最終の核種は必ず覚えておきましょう。222Rn、220Rnも壊変系列の問題では非常によく出題されています。どの系列の属するかも確実に暗記しておきましょう。
問5は2013年度化学問2と同一問題です。放射平衡においては永続平衡や過渡平衡が成立する核種は覚えておくことが大切です。半減期をしっかりと暗記しておけば正答は導けます。
問6は同位体に関する問題です。主要な元素に関しては、安定同位体、放射性同位体の区別がしっかりとできるようにしておきましょう。安定同位体が1つのみである単核種元素についても代表的なものは覚えておきましょう。
問7はβ線放出核種の最大エネルギーに関する問題です。β線放出核種は非常によく出題される重要核種です。半減期と最大エネルギーは確実に暗記しておきましょう。
問8は核反応の問題です。計算間違いさえしなければ正答できます。
問9は陽電子放出核種です。PET製剤と合わせてβ+壊変する核種は覚えておきましょう。
問10はG値に関する問題です。化学線量計であるフリッケ線量計、セリウム線量計も重要です。第一種試験では計算問題もよく出題されています。今後、第二種試験でも計算問題が出題される可能性もありますので、G値の定義、そして計算問題も解けるようにしておきたいですね。計算問題としては、第一種試験の2017年化学問29などのように出題されます。
問11
Ⅰは放射性壊変に関する文章問題です。基本的な内容が問われているので全問正解したい問題です。核異性体転移、内部転換電子は放射線取扱主任者試験では重要分野です。しっかりと勉強しておいて下さい。問4はトリウム系列が出題されましたが、本問題ではウラン系列が出題されています。4つの壊変系列は重要ですので暗記しておきましょう。
Ⅱはセシウムに関する問題です。周期表のアルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン、希ガスなどはよく問われる元素です。(H)の問題は第二種試験の2012年度管理技術Ⅱ問5、2014年度管理技術Ⅰ問4Ⅱでも出題されています。134Csの半減期、137Csの半減期を覚えておけば正答できる問題です。