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平成29年度第一種試験問題について(物化生)



【物化生】
 今年度の物化生は計算量が多く時間が足りなかったかと思います。過去に出題された問題の類似問題もありますが、物理分野、化学分野ともに計算問題が多めで時間配分が大変だったかと思います。生物分野は難しい問題もありましたが、過去問題をしっかり解いていた方は正答できる問題も多かったと思います。
 時間配分を考えながら問題を解かないと6割得点するのは難しい問題だったかもしれません。

問1
Ⅰ 137Csに関して、β壊変、内部転換、核異性体、線スペクトルといった例年の試験でよく問われる分野からの出題です。前半部分の語句の問題は基本的な問題ですので是非得点したい問題です。後半部分の計算問題は平成19,22年度物化生の類題ですが、計算量も多く正答するのは大変だったかと思います。
Ⅱ 前半部分は252Cfの自発核分裂の問題で平成21年度の物化生の類題ですので得点したい問題です。後半部分の中性子の弾性衝突の問題も過去に出題されている問題ですが、計算量もあり正答するのは難しい問題だったかと思います。

問2
Ⅰ 荷電粒子の円運動に関する問題で平成24年度物化生の類題です。計算問題が中心ですが、計算量はそれほど多くないため得点したい問題です。
Ⅱ ブラッグ・グレイの空洞原理に関する問題です。管理測定技術の試験でよく出題される分野ですが、最近では物化生でも出題されるようになっています。計算問題は物理の試験でもよく出題されています。後半の(ケ)の計算問題は空気の密度を変換しなくてはならず計算量も多く正答するのは難しかったかと思います。

問3
Ⅰ ウラン系列、トリウム系列などの壊変系列に関する問題です。計算量もそれほど多くないため得点したい問題です。
Ⅱ 壊変系列を作らない40Kに関する問題及び40K-40Arを利用した年代測定法に関する問題です。平成18,19,22 年度物化生に類似問題が出題されています。少し古めの過去問題のため解いていた方は少ないかもしれませんが、解いていた方は得点できたかと思います。
Ⅲ 14Cを利用した年代測定法に関する問題です。平成21,26年度物化生に類似問題が出題されています。平成26年度の問題は解いた方も多いかと思いますので得点したい問題です。

問4
Ⅰ 人工放射線元素に関する問題です。前半部分の語句の問題は得点したい問題です。後半部分はニホニウムに関する計算問題ですが、ニホニウムの知識がなくても解けますが、計算量もあるため正答するのは難しかったかもしれません。
Ⅱ 核反応や化学分離に関する問題です。比放射能の違いを求める計算問題は解けなくてもその他の語句の問題は得点したい問題です。
Ⅲ 放射平衡の永続平衡に関する問題です。公式を暗記しておけば得点できますので、この問題は是非得点したい問題です。

問5
Ⅰ 細胞分裂周期やDNAの合成に関する問題で、平成28年度物化生に類似問題が出題されています。前半部分は得点したい問題です。塩基の構造式を問う問題は作年度も出題されています。後半部分の核膜や紡錘体は生物の知識がないと正答するのは難しかったかもしれません。
Ⅱ DNA2本鎖切断の修復機構に関する問題です。前半部分は平成26,28年度物化生に類似問題が出題されており、また修復機構に関する問題は頻出問題でもあるので過去問題をしっかり解いた方は得点できたかと思います。
Ⅲ 毛細血管拡張性運動失調症とDNA合成に関して3H-チミジンに関する問題です。毛細血管拡張性運動失調症に関する知識がないと難しく感じたかもしれません。半分得点したい問題です。

問6
Ⅰ LETやRBE、細胞の生存率曲線、放射線加重係数などに関する問題です。この分野は非常によく出題されている分野でもあるので、過去問題をしっかり勉強していた方は得点できた問題かと思います。
Ⅱ 放射線の間接作用や酸素効果に関する問題です。後半部分で酸素分圧の数値が問われていますが、酸素分圧と酸素効果比の図を覚えていないと難しい問題かと思います。それ以外の前半部分は得点できる問題かと思います。