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トリチウムの捕集に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も第7版放射線概論の章末の演習問題を掲載します。
管理測定技術の分野から管理技術8章「場所の管理」の章末問題の問6(P.511)です。

トリチウムの捕集と測定に関する問題です。
管理測定技術の試験ではよく出題されている内容ですので確実に覚えましょう。


問6 空気中の水蒸気状トリチウムを固体捕集法で捕集する場合一般的には(1)を用いて捕集し、捕集されたトリチウムを(2)の形で取り出し、これを(3)で測定する。(2)の形として取り出す方法として(4)浸出法と(5)加熱法がある。(4)法を用いる場合、水蒸気状トリチウムを含む空気を(1)に通して吸引した後、(1)を取り出し、これを約2倍量の(2)を加え1時間以上放置する。放置後、(2)の一部をサンプリングし(3)で測定する。なお、放置後、加えた(2)がやや不透明な場合は(6)し、また少し着色していた場には(7)を加え(6)する。空気中のトリチウム濃度を求める式は(8)である。
ただし、
 空気中のトリチウム濃度:C(Bq・cm-3)
 空気中の吸引流量:F(cm3・min-1)
 捕集時間:ts(min)
 捕集効率:η0(%)
 (1)に加えた(2)の量:W(cm3)
 サンプリングした(2)中のトリチウム濃度:Cw(Bq・cm-3)


トリチウムの捕集に関しては管理測定技術の試験でよく出題されています。本ブログでも10月12日の記事(トリチウム)に捕集や測定に関して記載しています。

以下のの文章はそのまま暗記しましょう。
トリチウムを固体捕集法で捕集する場合一般的には(1)シリカゲルを用いて捕集し、捕集されたトリチウム(2)水の形で取り出し、これを(3)液体シンチレーションカウンタで測定します」

水蒸気を水の形として取り出す方法としては(4)浸出法と(5)加熱法があります。
液体シンチレーションカウンターで測定する際に、溶液が濁って不透明な場合は(6)ろ過し、また色がついている場合には(7)活性炭を通して脱色します。

空気中のトリチウム濃度は以下のように求めることができます。
まず、吸引した空気の量は流量F、捕集時間ts、捕集効率η0を用いて

 イメージ 1

空気中のトリチウム濃度はC(Bq・cm-3)であるから、この吸引した空気中に含まれるトリチウム

 イメージ 2  ①
 
また、サンプリングした水の中のトリチウム濃度はCw(Bq・cm-3)であるから、サンプリング水量W(cm3)とすると、サンプリングした水の中に含まれるトリチウム

 イメージ 3  ②

①と②が等しくなるため

 イメージ 4

この式から空気中のトリチウム濃度はC(Bq・cm-3)を求めると

 イメージ 5

整理すると

 イメージ 6

となります。
トリチウム以外にもヨウ素、粒子状放射性物質などの捕集に関する問題は管理測定技術の試験では非常に出題頻度が高くなっています。近年でも平成26年度、27年度、28年度と出題されています。

 

過去問題をしっかり解いて暗記すべき事項は必ず覚えるようにして下さい。
 平成18年度管理測定技術問5Ⅱ
 平成19年度管理測定技術問3Ⅰ,Ⅱ
 平成21年度管理測定技術問6Ⅲ 
 平成22年度管理測定技術問3Ⅲ
 平成23年度管理測定技術問5Ⅰ,Ⅱ
 平成24年度管理測定技術問3Ⅱ,Ⅲ
 平成26年度管理測定技術問3Ⅱ
 平成27年度管理測定技術問3Ⅱ, 4Ⅱ
 平成28年度管理測定技術問4Ⅰ