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内部被ばく

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は第7版放射線概論ではP.318から記載されている第10章に関する記事を紹介したいと思います。
この章に書かれてある内部被ばくに関する内容は、生物の試験だけでなく管理測定技術の試験でも非常によく出題されている分野です。
暗記中心ですのでしっかりと覚えておくと必ず得点できる分野です。
 
内部被ばくの経路は経口摂取、吸入摂取、経皮侵入の3経路があります。
α線β線などの飛程が短い放射線ではエネルギーすべてを体内で失うのため臓器や組織に対する影響は大きくなります。
内部被ばくの経路および防御法(平成17年度管理測定技術問1Ⅰなど)
①経口摂取:飲み込み、胃腸管からの吸入 ピペッタ、手袋、マスクで防御
②吸入(経気道)摂取:呼吸、肺、気道からの吸収 マスクで防御
③経皮侵入:皮膚からの侵入または傷口からの侵入 手袋で防御
 
臓器親和性
ボーンシーカー(骨親和性)骨腫瘍、白血病
      :32P,45Ca,65Zn,90Sr,226Ra,232Th,238U,239Pu,241Am
137Cs:全身、筋肉 (80%は筋肉に 数%が骨に 残りが肝臓などの組織に)
3H,14C:全身
222Rn:肺
55Fe:造血器、肝臓、脾臓
60Co:肝臓、脾臓
232Th:骨、肝臓
238U:骨、肝臓
239Pu:可溶性Puは骨、肝臓(骨腫瘍) 不溶性Pu(239PuO2)は肺(肺がん)
241Am:骨、肝臓
Fe,Co,Zn:コロイドを形成 細網内皮系(肝臓、脾臓、骨髄、リンパ)に蓄積
消化管吸収率:Cs,I 100%、Sr 30%、Co 5%、Pu 0.001%
 
体内汚染の放射性物質の除去法(平成19年度管理測定技術問5Ⅲなど)
①胃腸管からの吸収低減のためには、胃腸管の洗浄、下剤の投与、プルシアンブルー
 などのイオン交換剤の投与
②ヨウ化カリウムなどの安定同位体を含む化合物の投与
 放射性のヨウ素を吸入する可能性がある場合には、あらかじめ24時間前に安定ヨ
 ウ素剤を服用しておくのがよい。
 もしくは吸入後でも2時間までなら甲状腺への集積の低減に有効
 (平成24年度生物問18)
③DTPAなどのキレート剤の投与
 D-ペニシランもキレート剤
 Co,Cu,Zn,Hg,Pbなどの重金属とキレート錯体形成し尿へ排泄
④利尿剤の投与
 
体内被ばくの線量評価
①全身カウンタ(ホールボディカウンタ)による体外計測法(γ線検出)
 簡易型全身カウンタ
 ・スクリーニング目的(簡易的な遮へいと検出器の組み合わせ)
 ・Pb遮へい体付きNaI(Tl)シンチレーションカウンタ
 精密型全身カウンタ
 ・装置が大掛かりなことが欠点
 ・バックグラウンドの影響をなくすための遮へい室:Fe、Pbで遮へいした部屋
 ・検出器:NaI(Tl)シンチレーションカウンタ(最近は高分解能のGe検出器)
 ・データ解析部
②バイオアッセイ法(α、β線などもOK 全ての放射線
 ・被験者の負担大、排泄関数に個人差があることから精度が悪い、ことが欠点
 ・尿、糞、呼気、血液、毛髪などを試料にする。
 ・吸入摂取が疑われる場合は、鼻スミア試料
 ・灰化などの試料調整が手間
③特定の器官に沈着している放射能の測定
 ・甲状腺モニタ:131I
 ・肺モニタ:酸化プルトニウム239PuOなどは肺に沈積 
  239PuからL殻電子の放出に伴って発生する13-20keVの特性X線
  241Amから放出されるγ線(59.5keV)を体外から測定
  (平成22年度管理測定技術問5Ⅱ、平成25年度管理測定技術問5Ⅱ)
④空気中放射性核種濃度
 ・ダストモニタなどで計測
 ・作業者の立ち入った時間内の呼吸量から算出
 
平成17年度生物問22,24
平成17年度管理測定技術問1Ⅰ,問2Ⅰ,問5Ⅱ
平成18年度生物問23
平成18年度管理測定技術問5Ⅱ,問6Ⅲ
平成19年度生物問21,22,23
平成19年度管理測定技術問5,問6Ⅱ,Ⅲ
平成20年度生物問17,21,22
平成20年度管理測定技術問6
平成21年度生物問18,25,27
平成21年度管理測定技術問6Ⅱ,Ⅲ
平成22年度生物問17,19,23,24
平成22年度管理測定技術問4Ⅱ,問5,問6Ⅱ
平成23年度生物問21,22
平成23年度管理測定技術問5Ⅱ,Ⅲ,問6
平成24年度生物問23,24
平成24年度管理測定技術問6
平成25年度生物問13,20
平成25年度管理測定技術問5
平成26年度生物問16,21
平成26年度管理測定技術問5Ⅱ,問6
平成27年度生物問16,20,21,22,23,24,25
平成27年度管理測定技術問3Ⅱ,問6
平成28年度生物問15,18,21
平成28年度管理測定技術問3,問6Ⅱ
平成29年度生物問20,21
平成29年度管理測定技術問6Ⅲ
平成30年度物理問30
平成30年度管理測定技術問6