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排液中の放射性物質の濃度

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
管理測定技術に関する記事を紹介してきていますが、
管理測定技術の科目の測定技術に関しては暗記力よりは理解力を問われます。放射線測定器の原理や測定方法などが重要になります。
管理技術においては暗記中心の勉強法で合格圏に到達できると思いますが、計算問題も出題されますので過去問題を通して解けるようにしておきたいですね。
 
管理技術で出題される計算問題は、
 ①表面汚染に関する問題
 ②非密封放射性同位元素の取扱いに関する問題
 ③排液中の放射性物質の濃度に関する問題
などが中心となります。
 
①表面汚染に関する問題、②非密封放射性同位元素の取扱いに関する問題は昨日の記事でも紹介しましたので昨日の記事(表面汚染密度、外部被ばく線量の計算)をお読みください。
③排液中の放射性物質の濃度に関する問題に関しては、非常に出題頻度が高く毎年のように出題されていますので必ず過去問題をしっかり解いておいて下さい。
 
例えば、昨年度平成28年度管理測定技術の問4Ⅳのような問題をしっかりと解けるようにしておくことが大切です。
排水設備の貯留槽内の排液を排水するには、貯留槽に含まれる放射性同位元素の濃度・化学形・排水中の濃度限度を考えなくてはなりません。
 
手順は以下のようになります。
 1. 貯留槽内の各々の放射性同位元素の放射能濃度を求める
    平成28年度管理測定技術問4Ⅳでは3Hと131Iの濃度
 2. 放射能濃度の濃度限度に対する比を求める
    核種が2種類以上あるときは各々の濃度の濃度限度に対する比の和を求める
 3. 2.で求めた濃度の濃度限度に対する比(核種が2種類以上あるときは比の和)が
         1以下であるかどうか確認する(平成28年度管理測定技術問3Ⅱに記載あり)
 
この手順で計算して3.で求めた比(または比の和)が1よりも大きい時は希釈が必要になります。
 
濃度を求める計算では単位を間違いないようにすることも大切です。
放射性同位元素の排水中の濃度限度は[Bq/cm3]で表されることが多いので、貯留槽内の放射性同位元素の放射能濃度も[Bq/cm3]で求めなくてはなりません。貯留槽内の水量の単位が[L]であったり[m3]であったりしますのでしっかりと[cm3]に変換することを忘れないでください。
ちなみに、 1[L]=1000[cm3]     1[m3]=1000000[cm3]
 
貯留槽に含まれる放射性同位元素を排出する場合、放射性同位元素の減衰を待って排出することもありますので放射性同位元素の半減期についての知識も有しておく必要があります。

放射性物質の濃度に関する問題
平成17年度管理測定技術問1Ⅱ
平成18年度管理測定技術問3Ⅳ
平成19年度管理測定技術問3Ⅲ
平成20年度管理測定技術問3Ⅲ(排気中の放射性物質の濃度)
平成21年度管理測定技術問4Ⅲ
平成22年度管理測定技術問4Ⅱ
平成24年度管理測定技術問4Ⅲ
平成25年度管理測定技術問4Ⅲ
平成26年度管理測定技術問4Ⅲ
平成27年度管理測定技術問3Ⅱ(室内空気中の放射性物質の濃度),問4Ⅲ
平成28年度管理測定技術問3Ⅱ,問4Ⅳ
平成29年度管理測定技術問4Ⅳ