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同位体希釈法に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も第7版放射線概論の章末の演習問題を掲載します。
今日は化学の分野から同位体希釈法に関する問題です。
10章「トレーサとしての化学的利用」の章末の演習問題の問2(P.230)です。

同位体希釈法に関しては、本日の演習問題のような計算問題として非常によく出題されています。平成28年度も平成27年度も出題されています。しっかり理解して下さい。


問2 ある混合試料中の1成分を同位体希釈法で定量した。このため、混合物試料に比放射能1,000Bq・mg-1の標識したこの成分物質20mgを加えて完全に混合した後、一部を純粋に取り出したところ、その比放射能は250Bq・mg-1であった。混合試料中のこの成分の量(mg)はいくらか。


本問題は直接希釈法に関する問題です。
混合前後で全放射能は等しいことに着目して計算式を立てます。
定量したい成分は非放射性化合物です。
そのため、混合前の全放射能は、
放射能1,000Bq・mg-1で標識したこの成分物質20mgのみであるので、

 イメージ 1

混合後は、比放射能が250Bq・mg-1になっています。混合後の全ての成分の重量をXmgとすると、混合後の全放射能は、

 イメージ 2

混合前後で全放射能は等しいことから、

 イメージ 3

よって、

 イメージ 4

定量するために、
放射能1,000Bq・mg-1で標識したこの成分物質20mgを加えているので、この加えた20mgを差し引くと定量したい成分の重量が分かります。
よって、
定量したい成分の重量は、
 
 イメージ 5

同位体希釈法については、本ブログの3月3日の記事(同位体希釈法)に直接希釈法、逆希釈法について解説していますので是非お読みいただき、過去問題もしっかりと解いて下さい。