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40Kについて

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

ひと月ほど前になになりますが、部分半減期に関する記事を書きました。

以下の記事になります。

 自発核分裂、部分半減期に関する過去問題

 

放射線取扱主任者試験では、部分半減期に関しては252Cfや40Kの出題頻度が高いことに触れました。今日は40Kの核種に関して覚えておきたいことを書いてみます。

40Kは放射線取扱主任者試験では超重要核種になり、毎年必ずと言っていいほど出題されています。重要事項は必ず暗記しておきましょう。

 

40Kは半減期1.28×109年(12.8憶年)の天然放射性同位元素であり、その同位体存在比は0.0118%である。

40Kはβ-壊変により原子番号20の40CaにEC壊変により原子番号18の40Arを生じる

40Kから放出されるエネルギーはβ-線1.312MeV、γ線1.461MeVである。

人体に140gのカリウムが含まれるとき体内の40Kの放射能はおよそ4000Bqである。

 

人体に140gのカリウムが含まれるときの体内の40Kの放射能を求めてみましょう。

まず、40Kの半減期は1.28×109年(12.8憶年)ですので秒単位に換算すると、

 

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1年を秒に換算した値(3.15×107秒)は覚えておくと役に立ちますと何度かこのブログでも書いていますが、是非暗記しておきたい数値です。

カリウム140gの中の40Kの重量は40Kの同位体存在比が0.0118%であることから、

 

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よって、体内の40Kの放射能は、放射能の公式に代入して、

 

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と計算できます。

「人体に140gのカリウムが含まれるとき」とは、人体1kg中にはカリウムはおよそ2g含まれていますので、これは体重70㎏の人を想定しています。

 

人体のカリウムからの放射能を求める問題は時々出題されていますので自分で計算できるようにしておきましょう。

2014年度第一種試験化学問17

5 体重60kgの成人男性では40Kはおおよそ4kBq含まれている。

2015年度第二種試験管理技術Ⅱ問19

B 40Kは人体(体重60㎏の成人男子)に平均4000Bq程度含まれる。

2014年度第二種試験管理技術Ⅰ問5Ⅳ

現在の地球における天然のKのうち、40Kの同位体存在度を0.012%とすると、Kの重量1g当たりに含まれる40Kの原子数は約(キ) 個であり、その放射能は約(ク) Bqである。ただし、Kの原子量を39とする。また40Kの半減期の12.5億年は3.9×1016秒とする。
 また、Kは生体に必要不可欠な元素であり、人体(体重70kgとする)にも平均で約4,400Bqの40Kが含まれ(I)に分布していることが知られている。また、このことによる年間被ばく線量の推定は(ケ)mSv(国連科学委員会2000年報告書)と示されている。
 また、応用として、40Kの放射性壊変を利用した年代測定が行われており、「カリウム‐アルゴン法」が(J)や鉱物を試料とする分析に用いられる。

 

また、40Kは部分半減期を求める問題としてもよく出題されていますので、こちらもしっかりと過去問題を解いて勉強しておきましょう。 

下図は2006年度第一種試験物化生問4Ⅰに出題された図です。

 イメージ 13

2017年度第一種試験物化生3Ⅱ

40Kは、89.1%の分岐比で(F)して安定同位体40Caになり、この部分半減期は、(イ)年である。一方、10.8%の分岐比で(G)し、安定同位体40Arになる。この部分半減期は1.2×1010年である。この際、(H)MeVのγ線を放出する。

2010年度第一種試験物化生3Ⅱ

地殻中のカリウムの中には同位体存在度0.0117%で放射性核種40Kが存在する。40Kは分岐壊変し、部分半減期 年で(E)壊変して(ウ)になり、あるいは部分半減期1.22×1010年で(F)壊変して40Arになる。したがって、これらを合わせて40Kの半減期は(エ)年となり、また(E)壊変と(F)壊変の分岐比はおよそ(オ)となる。

2013年度第二種試験管理技術Ⅰ問2Ⅰ

下の図は40K及び137Csの壊変図式である。図中のECは原子核による(A)が起きることを意味し、この型の壊変が起きると原子番号は(ア)だけ変化し、40Kは40Arとなる。水平な線の右に記した数字は原子核のエネルギー準位を示しており、壊変の過程で生成した40Arの(B)にある原子核は、(C)線を放出して安定状態となる。一方、(D)壊変が起きると40Caとなる。この図から分かるように40Kは全壊変数に対して89%の割合で(D)線を、11%の割合で(C)線を放出するとともに、ECに伴う(E)線を放出する。

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