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阻止能に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も第7版放射線概論の章末の演習問題の記事です。

本日は物理7章の章末の演習問題問6(P.98)です。
荷電粒子の阻止能や飛程に関する問題は物理の試験で頻出問題ですので必ず解けるように勉強して下さい。

問6 10MeVの4He2+に対するある物質の阻止能と,2.5MeVの1H+に対する阻止能との比として正しい値は,次のうちどれか.
 1  0.25  2  0.5  3  1.0  4  2.0  5  4.0

荷電粒子の阻止能Sは以下の式で与えられます。
 
 イメージ 1
 
この式は重要公式ですので必ず暗記してください。
ここで、zは荷電粒子の原子番号、Vは荷電粒子の速度、Mは荷電粒子の質量、Eはエネルギーです。
 
単位は[MeV/cm]や[MeV/m]
阻止能を密度で割った質量阻止能の単位は[MeV・cm2/g]や[MeV・m2/kg]
質量阻止能で表した値は物質にあまり依存しません。
 
問題で与えられている値を上の公式に代入してみますと
10MeVの4He2+に対するある物質の阻止能SHe2+は、
 
 イメージ 2

2.5MeVの1H+に対するある物質の阻止能SH+は、
 
 イメージ 3

よって、両者の比は、
 
 イメージ 4

正解は5ですね。
 
阻止能と同様に以下の飛程Rを表す式も重要公式ですので必ずあわせて暗記しておいて下さい。
 
 イメージ 5

単位は[m],[cm]
または密度を掛けて[kg/m2],[g/cm2]
飛程を[kg/m2],[g/cm2]で表した値は物質にあまり依存しません。
 
荷電粒子と物質の相互作用については12月6日(荷電粒子と物質の相互作用)の記事でも紹介しています。
 
阻止能、飛程に関する過去問題
 平成17年度物化生問3Ⅱ
 平成18年度物理問13
 平成18年度物化生問3
 平成19年度物化生問1Ⅱ
 平成20年度物理問15,16
 平成21年度物理問16
 平成22年度物理問15
 平成22年度物化生問1Ⅰ
 平成23年度物理問11,12,13,14
 平成25年度物理問11,12
 平成25年度物化生問2Ⅱ
 平成26年度物理問12
 平成27年度物理問14
 平成27年度物化生問1Ⅰ,Ⅱ
 平成28年度物化生問2Ⅰ