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ブラッグ・クレーマン則

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
先週は阻止能や飛程について記載しました。

復習ですが、
・飛程の単位は[cm]と[g/cm2]がありますが、後者の[g/cm2]は[cm]に密度[g/cm3]を乗じたものであり、物質には依存しない値です。
・阻止能の単位は[MeV/cm]と[MeV・cm2/g]がありますが、後者、すなわち阻止能[MeV/cm]を密度[g/cm3]で割った質量阻止能[MeV・cm2/g]も物質に依存しない値です。

電子の質量阻止能は物資に依存せず、およそ2MeV・cm2/gほどです。この値は暗記しておいてもいいでしょう。(第7版放射線概論P.469 )
今年度、平成28年度物理問29にも出題されていますね。

放射線の勉強をしているとブラッグさんのお名前が時々出てきます。ブラッグさんの業績で是非覚えて欲しいものに、
 1.ブラッグ曲線
 2.ブラッグ・クレーマン
 3.ブラッグ・グレイの空洞原理

の3つがあります。

1のブラッグ曲線は先週「荷電粒子と物質の相互作用」について記載した際に触れました。「α線、陽子線などの重荷電粒子が飛程の最後の止まる付近で比電離(単位長さあたりの電離数)が最大になる現象」です。
ブラッグ曲線に関しては、生物の試験でよく出題されており、今年度、平成28年度生物問29,30にも関連する問題が出題されています。

 
3のブラッグ・グレイの空洞原理については、また後日書きたいと思います。

ブラッグ・グレイの空洞原理については管理測定技術でよく出題される分野ですが、今年度、平成28年度は物化生問2Ⅱで出題されました。

今日は飛程に関係する2.ブラッグ・クレーマンについて書きたいと思います。
 
ブラッグ・クレーマン則とは、「重荷電粒子の飛程は物質の密度に反比例し、質量数の平方根に比例する」というものです。(第7版放射線概論P.102問14)

式で表すと、飛程R[cm]、密度ρ[g/cm3]、また質量数をAとして、

 イメージ 1

過去問題での出題頻度はそれほどは多くありませんが、ブラッグ・クレーマン則はある物質中での重荷電粒子の飛程が分かっているときに、他の物質中での飛程を計算するときに役に立ちます。

平成20年度物理問16
平成22年度物理問15
平成23年度物理問11
平成29年度物理問12