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骨髄死、腸死、中枢神経死

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
生物についてのまとめの記事を紹介していますが、今日は第7版放射線概論P.292-293の骨髄死、腸死、中枢神経死について是非覚えてください。


骨髄死
・被ばく後10~15日がピーク
・骨髄障害は0.5Gyくらいから起こる
 
1Gy:10%に吐き気、食欲不振、めまいなどの放射線宿酔
1.5Gy:死亡のしきい値
    白血球低下による抵抗力の低下・・・・・・・> 造血臓器が原因
    血小板低下による出血性傾向の増大・・・>  のため骨髄死、造血死
 
3~5Gy:被ばく者の半数が死亡(LD50(60))
7~10Gy:被ばく者の全数が死亡(LD100(60))
(ただし、無菌室で治療が行えるかどうかで線量が大きく変わる 10Gy位なら無菌室や移植で延命が可能)

半致死線量とはヒトの場合、骨髄死にあたるLD50(60)=3~5Gyである。
マウスの半致死線量LD50(60)=5.6~7Gyである。


腸死(腸管死)
・5~15Gyの被ばくで生じる
この線量域では骨髄も影響を受けているが骨髄は潜伏期間が長い(30~60日)ため小腸の影響が早く出る。

 
・腸死では幹細胞であるクリプト細胞の細胞死に基づくもので、小腸が10Gy以上の急性照射を受けるとクリプト細胞が分裂を停止し、吸収上皮細胞の供給が止まり、粘膜の剥離、萎縮、潰瘍、また脱水症状、電解質平衡の失調、腸内細菌の感染などが発生する。(繊毛が減り、腸内壁を覆いきれなくなり体液が漏出する) 
・腸死は5~15Gyでは線量に関係なく吸収上皮細胞の寿命である10~20日で死に至る。(マウスでは3.5日効果で3.5日)

中枢神経死
15Gy以上:神経系損傷 1~5日で死亡
       高線量に見られる血管系、細胞膜の損傷
         神経細胞の感受性は低いので、神経細胞の細胞死は起こらず、
                 血管系、細胞膜の損傷
第7版放射線概論P.293の図6.1の線量と生存期間の関係の図を下に示します。
大まかな線量と生存日数、死因は覚えておいてください。

 イメージ 1

数百Gy以上:分子死
100Gy程度:中枢神経死(平均生存1~2日)
10~50Gy:消化管死(線量不依存域)  ヒト10~20日 マウス3.5日効果
3~5Gy:骨髄死(線量の低下で生存も長くなる)
      骨髄は感受性が高いため低い線量で起こる。
 
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