ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日も第7版放射線概論の章末の演習問題を掲載します。
管理測定技術の分野から管理技術7章「健康診断」の章末問題の問1(P.496)です。
生物の問題といった方が適切かと思います。
生物の試験でよく出題される内容がまとめられたかたちの問題となっていますので是非全文暗記するつもりで読んで下さい。
問1 高線量の放射線を被ばくした人にまず現れる臨床症状には,嘔吐,下痢,頭痛,発熱などがある.これらの症状の発現時期や発現頻度は線量に依存する.(1)10Gy以上被ばくした場合には,数時間のうちにほぼ100%の頻度でこれらの症状が現れる.
末梢血の検査でみられる症状として,(2)リンパ球や血小板の減少がある.リンパ球は放射線感受性が高く,主に(3)アポトーシスによって細胞死が起こり,1~2Gyの全身被ばくにより24時間以内に正常の約(4)50%に減少する.一方,末梢血中の顆粒球数には,(5)2Gy以上の全身被ばくにより2~3日以内に一過性増加が観察される.
染色体異常の発現は,感度がよく再現性も高いことから,生物学的な線量評価法として利用されている.染色体異常による検出限界は,γ線に対して(6)0.2Gy程度である.
高線量放射線被ばくした場合の症状で、主に放射線宿酔と末梢血中の血球数の変化に着目した問題です。
前半部分は放射性宿酔に関することですね。このブログでも以下の記事で紹介しています。是非読んでみて下さい。
4月27日 骨髄死、腸死、中枢神経死
4月28日 急性放射線症
後半は末梢血中の血球の放射線影響についての問題です。
非常に重要なことで生物の試験でも出題頻度の高い分野です。第7版放射線概論ではP.283-285に記載されています。
第7版放射線概論のP.284にも載っていますが、数Gyの全身被ばく後の末梢血中の血球数の経時変化を表す以下の図は重要ですので是非覚えて自分で概略は描けるようにして下さい。生物の試験でよく出題されています。
また、"全身被ばく後、顆粒球数の一過性増加が観察される"ということも頻繁に試験に出題されいますので覚えて下さい。
このブログでも以下の記事で紹介しています。
4月6日 造血臓器
4月7日 リンパ球、顆粒球、血小板、赤血球
問題最後の2文はバイオドシメトリ(生物学的線量算定)のことで第7版放射線概論ではP.277に記載されています。このブログでは以下の記事になります。
4月20日 突然変異
骨髄死、腸死、中枢神経死に関する過去問題
末梢血中の血球に関する過去問題