ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
先日、3月24日の記事(直接作用と間接作用)において生物に対する放射線への影響としては生体では間接作用が主となることを書きました。
「生体(細胞)では放射線の水分子(細胞の80%を占める)への作用の結果、生成したラジカルや分子生成物が生体内成分に障害を引き起こす間接作用が中心となります」
間接作用とは
「放射線が水分子を電離あるいは励起し、その結果生じたOH・(ヒドロキシルラジカル)やH・(水素ラジカル)などのフリーラジカル(遊離基)が生体高分子に作用して損傷を引き起こす」
ことです。
今日は、この間接作用の際の水分子の電離、励起でOH・(ヒドロキシルラジカル)やH・(水素ラジカル)を生成する反応式について書きたいと思います。
第7版放射線概論ではP.258に書いてありますが、重要な反応式ですので是非暗記してください。
水の励起
水分子が励起されるとOH・(ヒドロキシルラジカル)とH・(水素ラジカル)の両方を生成します。
水の電離
水分子が電離されると①水イオンラジカルと②電子を生成します。
①水イオンラジカルからはOH・(ヒドロキシルラジカル)が生成します。
②電子からはH・(水素ラジカル)が生成します。