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直接作用と間接作用

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
昨日までしばらくの期間、化学に関する記事を紹介してきましたが、今日から生物に関する記事を紹介したいと思います。
生物、法令は勉強をしていれば必ず点数が取れる科目です。理想的には8割以上の点数を取れるといいですね。
物化生に関しても問5、問6の生物分野で点数を稼ぐことができれば少しは楽になれるかと思います。
今日は生物の試験で非常によく出題されている直接作用と間接作用に関する記事を紹介したいと思います。放射線の生体に及ぼす影響に関する基本事項ですので是非しっかりと覚えて下さい。
生物に対する放射線の影響は、放射線のエネルギーがその分子に直接吸収されて障害をおよぼす直接作用と、他の分子(主に水分子)がエネルギーを吸収し活性生成物を作り、それが標的分子と反応して標的分子に障害を及ぼす間接作用に分けることができます。 
直接作用は主には乾燥状態の物質に対するときに起こります。
生体(細胞)では放射線の水分子(細胞の80%を占める)への作用の結果、生成したラジカルや分子生成物が生体内成分に障害を引き起こす間接作用が中心となります。

直接作用
放射線が生体高分子を直接に電離あるいは励起し、高分子に損傷が生じる
間接作用
放射線が水分子を電離あるいは励起し、その結果生じたOH・(ヒドロキシルラジカル)やH・(水素ラジカル)などのフリーラジカル(遊離基)が生体高分子に作用して損傷を引き起こす

細胞内には水が多く含まれているため、低LET放射線(X線、γ線β線)では間接作用の割合が直接作用よりも大きくなります。
その比はおよそ1:2くらいです。
OH・(ヒドロキシルラジカル)による間接作用がその多くを占めます。

高LET放射線中性子線、α線重粒子線)では直接作用が主になります。
これは高LET放射線では飛跡に沿っての電離密度が高くスプールを多く生成し、直接作用が起こりやすくなってるためです。
また、高LET放射線では間接作用で生じたOH・やH・が局所的に非常に高濃度に生成する結果、これらラジカルが生体高分子に作用する前にラジカル同士の再結合が起こってしまうからであると考えられています。

間接作用の効果としては、以下の4つがあります。
・希釈効果
・酸素効果
・保護効果
・温度効果
間接作用の効果については、第7版放射線概論のP.260-261に詳しく書いてあります。明日以降の記事でも紹介したいと思います。

平成17年度生物問8,13
平成17年度物化生問5Ⅰ
平成18年度生物問4,11
平成19年度生物問2,3
平成20年度生物問5
平成20年度物化生問5Ⅰ
平成21年度生物問6
平成22年度生物問28
平成22年度物化生問5Ⅰ
平成23年度生物問3
平成23年度物化生問6Ⅱ
平成24年度生物問3,30
平成24年度物化生問6Ⅱ
平成25年度生物問4,25
平成26年度生物問3,5,6
平成27年度生物問28
平成28年度生物問3,27
平成28年度物化生問5Ⅰ
平成29年度生物問3
平成29年度物化生問6Ⅱ
平成30年度生物問2