放射線取扱主任者試験に合格しよう!

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放射線の分類

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

これから放射線取扱主任者の資格取得を目指して勉強を始める人に、放射線にはどんなものがあるかを知っておく必要がありますので、先週までに数回にわたり放射線の種類についてα線β線γ線X線中性子線について簡単に記事にしました。

これから、これらの放射線についてより深く勉強していくことになりますが、放射線を電離の有無や電荷の有無、また粒子線なのか電磁波なのかを細かく分類した表があります。ついつい原子力百科事典ATOMICAを参考にしてしまいますが、以下の表があります。

原子力百科事典ATOMICAにからの転載>

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また、おおまか波長も知っておいた方がよいので以下の図も転載します。

原子力百科事典ATOMICAにからの転載>

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これらの表や図は以下の記事のものです。

原子力百科事典ATOMICA 放射線の分類とその成因 (08-01-01-02)

是非一度読んでおくとよいかと思います。

 

放射線の分類に関して、電離放射線や直接電離放射線、間接電離放射線といった用語は放射線取扱主任者試験でもよく出題されています。

第一種試験

2012年度物理問21

次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
A 吸収線量は間接電離放射線にのみ用いることができる。
B 中性子は直接電離放射線に分類される。
C 照射線量は物質を選ばず用いることができる。
D カーマは空気に対してのみ用いることができる。

 

2014年度物理問22

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 放射能は単位時間当たりに放出される放射線の数をいう。
B 吸収線量は任意の電離放射線に用いられる。
C カーマは任意の電離放射線に用いられる。
D 照射線量は空気に対してのみ定義される。

 

2008年度物化生問6Ⅰ

電離放射線を、大きく電磁波と粒子線に分類することがある。この場合、X線γ線は(A)であり、α線β線中性子線は(B)である。また、電離放射線は(C)と(D)に分類することもある。α線β線は直接電離放射線に分類され、中性子線やX線は間接電離放射線に分類される。X線は、医療分野で最もよく利用されている電離放射線である。X線と物質の相互作用はエネルギーに依存し、エネルギーの低い方から(E)、(F)、(G)が主にみられる。・・・・

 

2013年度物化生問1Ⅰ

X線及びγ線並びに中性子は(A)放射線と呼ばれ、それぞれ物質と特徴的な相互座用を起こす。X線及びγ線は波長の短い光子であり、赤外線、可視光などの電磁場と区別して電磁放射線と呼ばれる。一方、中性子原子核を構成する核子の一つであるが、核外で単独に存在するときは約(ア)の平均寿命で(B)に壊変する。中性子電荷を持たないため、中性子の物質との相互作用は主として原子核との相互作用であるということができる。

 

2016年度物化生問2Ⅰ

電離放射線を大別すると、自身が(A)をもつ直接電離性放射線と、自身は電荷を持たず、物質との相互作用の結果、二次的に発生した直接電離性放射線が電離を引き起こす間接電離性放射線の二種類に分けられる。
直性電離性放射線の一つであるα線は、物質中で(B)を受けながら連続的に減速し、やがて停止する。例えば標準状態の空気中においてその飛程R[cm]は、α線の初期エネルギーがE[MeV]のとき・・・・

 

2006年度管理測定技術問2Ⅰ

吸収線量とは、(A)電離性放射線の照射により、物質に吸収された放射線のエネルギーをその物質の質量で除したものである。単位はグレイ(Gy)であり、1Gyとは物質1kg当たりに吸収された放射線のエネルギーが1Jであるときの放射線量である。吸収線量の概念が適用される物質は(B)である。これに類似した量として、カーマがある。これは(C)にX線γ線、あるいは(D)のような(E)が入射して相互作用や核反応を起こしたとき、・・・

 

第二種試験

2012年度管理技術Ⅱ問25

放射線によるDNA損傷に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 電離放射線では紫外線とは異なるタイプの損傷が生じる。 

B DNA1本鎖切断は2本鎖切断より突然変異の原因になりにくい。 

C 損傷の種類によらず同じ修復機構で修復される。 

D DNA損傷は細胞周期の進行を防げない。 

E フリーラジカルを介した間接作用によっても生じる。 

 

2019年度物理問9

次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
A 放射能は単位時間当たりに放出される放射線の数である。
B 吸収線量はすべての電離放射線に用いられる。
C 照射線量は空気に対してのみ定義される。
D カーマは間接電離放射線に対して用いられる。

 

2010年度管理技術Ⅰ問1Ⅰ

細胞が電離放射線によって照射されると、細胞のDNAに損傷が生じ、突然変異、細胞死などが誘発される。細胞死は放射線による様々な(A)影響を引き起こすが、細胞死の原因損傷は主としてDNAの(B)であると考えられている。・・・

 

2010年度管理技術Ⅰ問1Ⅱ

電離放射線の生物作用の様式には(E)間接と(F)直接がある。放射線はLETが異なると(G)が同じでも放射線損傷の質や程度が異なることが知られている。・・・

 

2016年度管理技術Ⅰ問2Ⅰ

電離放射線が気体中を通過すると、気体分子が電離されて、多数の電子‐イオン対を生じる。また、この空間に電場があると、電子と陽イオンがそれぞれ電極へ向かって移動し、回路に電流が流れる。印加電圧を上げると次第に、電子と陽イオンが(A)する割合の低下により電流は増大するが、ある電圧以上では飽和して電流がほぼ一定となる領域が現れる。・・・

 

過去問題では、第一種試験では物理分野や測定分野においての出題が、第二種試験では放射線の生体に及ぼす影響に関しての出題が多いように感じます。

 

2019年度からは第一種試験では物化生、管理測定技術の課目はなくなりましたが、それらに出題されていた問題は物理、化学、生物、そして実務の課目で今後も出題されていくことになります。第二種試験でも管理技術Ⅰに出題されていた分野は実務の課目に、管理技術Ⅱに出題されていた分野は物理・化学・生物の課目に出題されますので、昨年度までの過去問題を試験までの数か月間でしっかりと解くことが大切です。