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クロロ錯体

ブログをご覧の皆さん、おはようございます。
今日は3月14日、ホワイトデーですね。バレンタインデーからもう1か月が経ったのですね。3月も中旬になり、日もだいぶ長くなり、春の訪れを少なからず感じ始めています。花粉症の方には辛い季節かと思います。十分に対策して下さい。
試験勉強の方は順調に進んでいますか?
忙しい年度末かと思いますが、「今年の試験に絶対合格するぞ!」という強い気持ちを持って頑張って下さい。

今日の記事の紹介です。
化学や物化生の試験で出題されている放射性同位元素の分離に関して重要なクロロ錯体についての記事を紹介したいと思います。
放射
性同位元素の分離においては、クロロ錯体について覚えておく必要があります。
クロロ錯体を形成する金属イオンは陰イオンになるので、陰イオン交換樹脂に吸着させることで分離することが可能となります。

陰イオン交換樹脂カラムに吸着したクロロ錯体を塩酸で溶出するときの濃度順位は、陽イオンと塩化物イオンのクロロ錯体の形成が強いものほど、塩酸溶液の濃度は薄いものを使用します。
(第7版放射線概論P.182-184)

クロロ錯体形成の順位は必ず覚えて下さい。

 弱 ← 
Ni2+, Mn2+, Co2+, Cu2+, Fe3+, Zn2+ → 強
     に  まん  こ  どう  てつ   じん

Ni2+  :クロロ錯体を形成しないので濃度の濃い12M以上の塩酸使用
Mn2+:クロロ錯体は弱いので濃度の濃い6M塩酸使用
Co2+:クロロ錯体は比較的弱いので濃度の濃い4M塩酸使用
Cu2+:クロロ錯体は比較的強いので濃度の薄い2.5M塩酸使用
Fe3+:クロロ錯体は強いので濃度の薄い0.5M塩酸使用
Zn2+:クロロ錯体は非常に強いので濃度の非常に薄い0.005M塩酸使用

クロロ錯体形成の順位(Ni2+, Mn2+, Co2+, Cu2+, Fe3+, Zn2+)を覚える際には沈殿と絡めて覚えましょう。
沈殿に関しては、3月9日の記事で紹介していますので是非ご覧ください。


クロロ錯体形成の順位(Ni2+, Mn2+, Co2+, Cu2+, Fe3+, Zn2+)の中で、
・Ni2+, Mn2+, Co2+, Zn2+アルカリ性で硫化物の沈殿を形成します。 
NiS,CoSは黒色、MnSは肉紅色、ZnSは白色)

・Cu2+は酸性で硫化物CuSの沈殿を形成します。

・Fe3+アルカリ性で水酸化鉄の沈殿Fe(OH)3を形成します。

また、是非次のことを覚えておいて下さい。
Fe(OH)3の沈殿は、塩酸に溶解しクロロ錯体とすることで、イソプロピルエーテルやジエチルエーテルで抽出することができます。
(第7版放射線概論P.174-175)

クロロ錯体に関する過去問題
平成21年度化学問18,20
平成20年度管理測定技術問4Ⅲ
平成22年度物化生問4Ⅲ

平成25年度物化生問3Ⅱ

平成26年度物化生問4Ⅱ
平成27年度化学問18
平成29年度化学問19
平成29年度物化生問4Ⅱ
平成30年度物化生問4Ⅱ