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β線まとめ

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日はβ線についてのまとめの記事を紹介致します。β線と物質の相互作用に関しては、本ブログでも12月5日の記事で紹介していますのでその復習になるかと思います。放射線概論第7章も確認しながらもう一度復習してください。

β-
原子核とラザフォード散乱:弾性散乱
 原子核の得るエネルギーも無視されるくらい小さく、電子のエネルギー損失も無視
 できるほど小さい。
・電子との衝突:非弾性散乱(電離、励起)   衝突阻止能(2MeV・cm2/g)
 電子線が物質中でエネルギーを失う主要な機構である。
制動放射線:電子のエネルギーは減少するので減速機構の一つ
 電子が原子の近くを通過すると原子核又は電子のクーロン力で曲げられて放射
 物質の原子番号の2乗に比例し、入射粒子の質量の2乗に反比例する。電子での制動
 放射のみが問題となり、陽子線やα線制動放射は問題にならない。
・β-線は電子線の一種であり、連続エネルギー
・連続エネルギーのβ-線はその減衰は近似的に指数関数
 (単一のエネルギーの電子線はだめ)
・β-線の最大飛程は最大エネルギーで決まる
・β-線の平均エネルギーは最大エネルギーの1/3(放射線概論P.48)
・水中では電子(β-線)が通過する際には、0.26MeV以上のエネルギーでチェレン
 フ放射が起こる(チェレンコフ放射とは、荷電粒子が物質中を運動する時、荷電粒
 子の速度がその物質中の光速度(c/n)よりも速い場合に光が出る現象)
 チェレンコフ放射に関しては、本ブログの10月11日の記事で紹介しています。
 
 また、平成28年度物理問15では、このチェレンコフ光が発生する電子の最小運動エネルギー求める問題が出題されています(平成24年度物理問14でも同出題あり)

β-線の後方散乱
・散乱角は連続分布(近似的にcosθ分布:θは表面の法線となす角)
・後方散乱の強度は散乱体の原子番号とともに増加する
・散乱体の厚さが厚くなると散乱強度は飽和する

β+
線(陽電子
・β-線の反粒子であるため、性質はβ-線と同じ
・エネルギーは連続スペクトルであるが、形状はβ-線とは異なる
・β-線との最大の違いはβ+線は消滅放射線を出すこと