ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今日は放射線の種類について記事を書きたいと思います。
既に勉強をしている人は復習がてらお読み下さい。
放射線にはα線、β線、γ線、X線、中性子線などがあります。これらの放射線は放射線取扱主任者試験では必ず出題されるものですので、特徴、代表的な核種は暗記しておかなくてはなりません。
核種については非常にたくさんありますが、試験に出題される核種はある程度は限られてきますので、放射線概論などの参考書、過去問題を勉強していく中で暗記していきましょう。過去問題について言えば、5年間から7年間分の過去問題を解いておけば、出題される核種はほぼ網羅されていると思います。
α線:147Sm、210Po、222Rn、226Ra、232Th、235U、238U、241Am、252Cf など
ヘリウム4He(陽子2個、中性子2個)の原子核でα壊変する際に放出される。
α線は紙1枚で遮ることが可能である。
<原子力 百科事典ATOMICAによる記載>
アルファ(α)粒子ともいわれ、+2の電荷をもつ荷電粒子線であり、ヘリウム 4Heの原子核である。原子核がα壊変するとα粒子(α線)を放出して、原子番号が2、質量数が4だけ小さい別の原子核に変わる。α線は電離作用が強く、物質中の飛程が短いから線源から数cmの空気層、また薄いゴムでも十分遮断される。同一エネルギーの粒子はほぼ同じ距離を進む。飛程と崩壊定数との間にはガイガー・ヌッタルの法則(飛程が長い程、α壊変の半減期は短い)がある。α線は電離作用が強いのでその内部被曝には十分注意しなければならない。
β線:3H、14C、32P、40K、45Ca、59Fe、60Co、63Ni、131I、137Cs など
原子核から放出される電子でβ粒子ともいい、β壊変する際に放出される。
β線はアルミニウムなどの金属板で遮ることが可能である。
< 原子力百科事典ATOMICAによる記載>
原子核のβ壊変時に放出される電子線でβ粒子とも呼ばれ、その壊変のタイプによって陰電子が放出される場合(β-壊変)と陽電子が放出される場合(β+壊変)がある。通常はβ線というとβ-線を示す。β線の透過力は弱く、通常のエネルギーのものは数mmのアルミ板や1cm程度のプラスチック板で十分遮へいされる。β線の検出にはGM計数管、電離箱等がある。
γ線やX線:(γ線放出核種):22Na、40K、60Co、123I、125I、131I、137Cs など
γ線は不安定な状態(励起状態)にある原子核が安定な状態(基底状態)に移る際に発生する電磁波である。X線はγ線と発生源が異なり、原子核からではなく原子から発生する電磁波である。
<原子力百科事典ATOMICAによる記載>
励起エネルギー状態にある原子核がより低い状態または基底状態に移るとき、もしくは粒子が消滅するときに放出する電磁波。波長は10-12〜10-14m、エネルギーで表示すると0.1〜100MeV 程度である。γ線はα壊変またはβ壊変、あるいは核反応に付随して放出され、核種に固有な一定のエネルギーをもっている。原子内の軌道電子の遷移等によって放出されるX線も同じ電磁波であるが、生成機構で区別されている。また、γ線は一般にX線よりも高エネルギーで透過力が強いので、工業分野での非破壊検査等に利用される。検出にはGM計数管、シンチレーションカウンター、電離箱等が使用される。
中性子線:252Cfの自発核分裂、241Am-9Be中性子線源、 226Ra-9Be中性子線源 など
中性子は原子核を構成する粒子のひとつであり、その中性子の流れが中性子線となる。
中性子線は水素を多く含む物質(水やコンクリート)で遮ることが可能である。
<原子力百科事典ATOMICAによる記載>
一方向に運動している状態の中性子。中性子は原子核を構成する素粒子の一つで、核分裂などの原子核壊変によって原子核の外に飛び出し運動状態となる。原子核外に飛び出した中性子はランダムな方向に運動しており、広義にはそのような状態での中性子を中性子線と呼ぶこともある。しかし、通常はがん治療や非破壊検査(中性子ラジオグラフィ)に用いる運動方向の揃った中性子のことを指す。中性子は電荷を持たず、磁力によって運動方向を変えることができないため、内壁に中性子吸収材を貼ったコリメータ等を用いて概ね一方向に運動する中性子線を得る。