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平成28年度第一種試験問題について(物化生)



ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

昨日に引き続き、今年度の試験問題に関して個人的感想(法令以外)を簡単ですがコメントしてみたいと思います。
今日は物化生について書いてみたいと思います。

全体的な難易度は例年並みといったことろではないでしょうか。

問1
Ⅰはβ+線の最大エネルギーを求める問題は戸惑った方もいるかもしれませんが、それ以外は基本的な語句とQ値を求める問題で放射線概論と過去問題をしっかりと勉強していれば解ける問題かと思います。
Ⅱはコンプトン散乱に関する問題で、過去問題でも平成22年度物化生問2Ⅱで類似の問題が出題されています。

問2
Ⅰはα線の飛程やγ線の減弱に関する問題です。基本的な問題かと思います。
Ⅱはブラッグ・グレイの空洞原理に関する問題です。管理測定技術で出題されることが多い分野ですね。平成21年度管理測定技術問2をしっかり勉強していれば解けるかと思います。

問3
Ⅰは放射化学分離における化学収率に関する計算問題と沈殿に関する問題で、化学収率の計算問題平成20年度物化生問4Ⅳに類似問題が出題されています。
Ⅱはキレート抽出試薬、イオン交換樹脂に関する問題ですが、この問題は知識がないと少し難しく感じられたかもしれません。後半のラドンの壊変に関する問題も放射性核種の分離法として最近の過去問題でも出題されていないかと思いますので、難しかったかもしれません。

問4
Ⅰは蛍光X線分析法に関する問題ですが、蛍光X線分析を実際に行ったことがある方にとっては易しい問題かと思いますが、この機器に馴染みのない方にとっては難しく感じられるかもしれません。
問Ⅱ、Ⅲ、Ⅳは放射化分析法に関する問題ですが、
Ⅱは第一種試験でも平成20年度物化生問4Ⅰをはじめ過去に頻繁に出題されている分野ですので是非正答していただきたい問題です。
Ⅲ、Ⅳに関しても過去問題をしっかり勉強していれば十分解ける問題かと思います。

問5
Ⅰは生物に対する放射線の影響に関する問題
Ⅱは細胞周期に関する問題
Ⅲは細胞死に関する問題
で、いずれも過去問題をしっかり解いておけば対応できる問題かと思います。

問6
Ⅰはアデニン、シトシンの構造式までは生物や化学をしっかり勉強した方でないとなかなか知らないですよね。アデニンとチミンが対をなすこと、アデニンとチミンは2個の水素結合で結ばれていることは平成26年度物化生問6Ⅰでも出題されていますので解けるかと思います。
Ⅱはなかなか難しく塩基除去修復くらいしか正答できなかったかもしれないですね。
Ⅲ、Ⅳも難しかったかもしれませんが、平成26年度物化生問6で類似の問題が出題されていますので、過去問題をしっかり勉強した方ならば対応できたかと思います。

化学及び生物の一部では難しい問題も出題されていますが、放射線概論と過去問題をしっかりと勉強していれば全体としては6割は十分得点できる問題かと思います。