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平成28年度第一種試験問題について(管理測定技術)



ブログをご覧の皆さん、こんにちは。

今日は今年度の管理測定技術の試験問題に関して個人的感想を簡単ですがコメントしてみたいと思います。


問1
Ⅰは電離箱、GM計数管に関する問題です。放射線概論と過去問題をしっかりと勉強していれば対応できる問題です。
Ⅱは個人線量計に関する問題ですが、DIS線量計というものが最近の過去問題ではほとんど出題されたことにない線量計ですが、それ以外は放射線概論と過去問題を勉強していれば解けるかと思います。
Ⅲは難しい問題であったかと思います。特に計算問題の(イ)は統計に関する知識を持っていなとなかなか解けない問題かと思います。(ア)の計算問題は解ける問題ですので、間違った方はもう一度復習して解いてみて下さい。

問2
Ⅰは光子の波高分布からの出題です。波高分布に関しては平成22年度、平成25年度の管理測定技術でも出題されており、またマルチチャネルアナライザ(MCA)に関しては平成19年度と平成27年度の管理測定技術でも出題されています。ただ、昨年平成27年度の問題は個人的には良問とは言い難く思っています。全吸収ピークやサムピーク、エスケープピークといった波高分布の読み方について放射線概論、過去問題を勉強していればある程度は解けるかと思います。
Ⅱは荷電粒子に関する問題ですが、放射線概論と過去問題をしっかりと勉強していれば対応できる問題です。

問3
Ⅰは使用施設や管理区域などの基準に関する問題で法令と共通する部分が多い問題です。管理測定技術で出題されることは少ない分野ですが、平成18年度の管理測定技術などでは出題されています。法令の勉強で基準値などの数値をしっかり暗記していた方は解ける問題あったかと思います。
Ⅱは内部被ばくに関わる評価に関する問題です。飛散率の数値までは覚えていない方でも、他の問題で正答できれば6割、7割は正答できるかと思います。

問4
Ⅰはトリチウムの捕集や測定に関する問題ですが、ヨウ素や粒子状放射性物質、水蒸気などの捕集は出題頻度が高い分野ですので、過去問題をしっかり解いていれば正答できたかと思います。
Ⅱは線量率の計算問題ですが、これも管理測定技術の試験では非常に出題頻度の高い分野です。半価層の計算も含めて必ず解けるようにしなくてはならない問題です。
Ⅲはヨウ素に関する問題です。問4Ⅰ同様、非常に出題頻度が高い分野です。放射線概論、過去問題をしっかり勉強してきた方は解ける問題かと思います。
Ⅳは濃度限度に関する問題ですが、過去にも多く出題されている分野です。必ず解けるようにしていただきたい問題です。

問5
Ⅰは放射線防護に関する問題です。確定的影響のしきい線量や確率的影響に関する過去問題を解いていれば大部分は対応可能かと思います。造血機能低下、脱毛、男性の一時的不妊などのしきい線量は覚えておきたい数値です。名目リスク係数の数値までは知らなくても仕方ないかと思います。
Ⅱは放射線加重係数や組織加重係数に関する問題です。ICRP2007年勧告におけるこれらの値は必ず覚えておきましょう。

問6
ⅠはICRP2007年勧告からの問題ですが、これは過去問題でも出題されておらず難しかったかと思います。文面からの推測で前半部分だけでも正答できれば良いのではと思います。
Ⅱは実効線量、眼の水晶体の等価線量、皮膚の等価線量などが問われています。これらはしっかりと正答したいですね。また後半部分の線量限度に関する問題も値をしっかりと覚えておきたいですね。


全体を通して、
難しい問題、過去問題に出題されたことがない問題もいくつか見受けられますが、全体的には6割は得点可能な問題ではないでしょうか。
放射線概論と過去問題をしっかり勉強しておくことが合格のためには重要かと思います。