放射線取扱主任者試験に合格しよう!

資格取得を目指す皆さんを応援します

飛程について

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
梅雨明けした地域も増え、毎日夏本番の暑さが続いています。
放射線取扱主任者試験は毎年8月という猛暑の中で行われています。
試験会場は冷房が効いていますので安心ですが、この時期の日頃の勉強は大変かと思います。水分補給や休憩を取りながら体調管理には十分に気を付けて勉強を頑張って下さい。試験当日に体調を崩しては努力も無駄になってしまいます。
 
さて、今日は飛程に関する記事を少し書きたいと思います。
放射線取扱主任者試験では、毎年飛程や阻止能に関する問題は必ずと言っていい程、第1種試験、第2種試験ともに出題されています。
公式をしっかりと暗記して自分で計算できるようにしましょう。
 
例えば、90Yの飛程の計算をしてみましょう。
90Yは放射線取扱主任者試験でもよく出題される重要核種です。
 
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・β-壊変
半減期64時間
・2.28MeVの高エネルギーβ線を放出
・永続平衡 
 
β線のアルミニウム中での最大飛程R[g/cm2]には以下の重要公式があります。
 
 
 
90Yのβ線のエネルギーは2.28MeVですので、上式を用いて、
 
 イメージ 2
 
となります。
β線の飛程の単位[g/cm2]は物質にあまり依存しません。この単位を[cm]単位に変換するためには物質の密度で除せばよいので、
90Yのアルミニウム中での飛程はアルミニウムの密度2.7[g/cm3]で除すと、

 イメージ 4
 
となります。
空気中での飛程は空気の密度1.3×10-3[g/cm3]で除すと、
 
 イメージ 3
 
となります。
アルミニウムの密度や空気の密度などは覚えておいても損はない数値です。

飛程に関してはα線についての以下の公式も必ず暗記しておきましょう。
α線の空気中での飛程[cm]

 

α線のエネルギーは4~8MeV程度ですので、空気中での飛程は数cmとなります。
例えば、α線のエネルギーが5Mevのとき、飛程は3.6cm
    α線のエネルギーが6.3Mevのとき、飛程は5cm