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放射線影響の分類に関する問題

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
今年の合格を目指して、また一緒に頑張って勉強していきましょう。

今日は生物の分野から演習問題をひとつ掲載します。


問 人への放射線影響に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

① 被ばく線量と影響の発生頻度の関係から確率的影響と確定的影響に分類される。
② しきい線量とは、確定的影響が現れる最小の線量である。
③ 確定的影響では、被ばく線量が大きくなると重篤度が増す。
④ 確率的影響には、がんと遺伝的影響が含まれる。
⑤ 妊娠中に被ばくした胎児に現れる影響は遺伝的影響である。


被ばく線量と影響の発生頻度の関係から放射線影響は確率的影響と確定的影響の2つに分類されます。よって、①は正解です。

確定的影響にはしきい線量が存在します。よって、②も正解です。しきい線量とは影響が現れる最低の線量のことで、ICRPによるとおよそ1%の出現頻度をもたらす線量に対応するとされています。

確定的影響での被ばく線量とその影響の関係は、被ばく線量が大きくなるほど重篤度は増します。また、影響の頻度は、しきい線量までは0ですが、しきい線量を超えると大きく増加します。よって、③も正解です。

がんと遺伝的影響は確率的影響に該当します。よって、④も正解です。

放射線影響の分類として確率的影響と確定的影響の他に身体的影響と遺伝的影響があります。放射線影響が被ばくした本人に現れるものが身体的影響で、放射線影響が本人ではなく子孫に及ぶものが遺伝的影響です。遺伝的影響は将来子供を産む可能性のある人が生殖腺に被ばくした場合にのみ起こりえます。妊娠中に被ばくした胎児に現れる影響は身体的的影響になるので、⑤は誤りです。

よって、最も不適切なものは⑤になります。

 

放射線影響に関する確率的影響と確定的影響の特徴、また身体的影響と遺伝的影響の特徴については生物や物化生の試験でよく出題されていますので必ず暗記してなくてはなりません。
確率的影響と確定的影響の線量と頻度及び重篤度を表す図は自分で描けるように覚えておきましょう。

 

本日の問題に関する内容は、このブログでは以下の記事にまとめてありますので是非自分で勉強して下さい。
 確率的影響と確定的影響
 身体的影響と遺伝的影響