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遺伝性(的)影響、身体的影響

ブログをご覧の皆さん、こんにちは。
先日から確定的影響や確率的影響についての記事を掲載してきましたが、今日は確定的影響や確率的影響とともによく出題される遺伝性(的)影響と身体的影響について書きたいとと思います。
暗記しておくことで得点につながりますので必ず基本事項は覚えておきましょう。
 
遺伝性(的)影響
・将来、子供を産む可能性がある人が生殖腺に被ばくを受けた場合のみ起こる
生殖細胞の突然変異が子孫に伝わって生じる

遺伝性(的)影響の発生率の推定法には以下の2つがあります。
①直説法:
 動物実験により求めた突然変異率から遺伝的影響の発生率を直接推定する方法
②間接法:
 ヒトの遺伝的疾患の自然発生率と動物実験による倍加線量を比較して推定する方法

倍加線量とは自然発生の突然変異率を2倍にするのに必要な線量であり、
倍加線量が大きいほど遺伝性(的)影響は起こりにくく、倍加線量の逆数は単位線量あたりの相対突然変異リスクを表しています。
 
原爆被ばく者の疫学データからは発がんの増加は認められていますが遺伝性(的)影響の増加は認められていません。

身体的影響
放射線影響が被ばくした本人に現れる現象(小頭症、白内障不妊白血病など)
・早期影響(急性影響)と晩発影響に分類
・妊娠中の被ばくは胎児自身の身体的影響
生殖細胞の減少も本人の身体的影響

小頭症は胎児被ばくにおいて器官形成期(受精9日から受精8週)までに見られる奇形で、ヒトで確認された唯一の奇形です。胎生期で第15週までがリスクが大きく、奇形のしきい線量は0.1Gyと考えられています。
遺伝性(的)影響は確率的影響に属しますが、身体的影響は白血病やがんなど確率的影響に属するものと白内障などの確定的影響に属するものがあります。
 
放射線取扱主任者試験で出題される遺伝性(的)影響や身体的影響の問題については、次回掲載したいと思います。